「そもそも」って、そもそも何だろう?という問題。
「そもそも」という単語をしばしば使っていますが、頻用するには良くないのかも知れません。国語辞典で調べてみると、そもそもは【名詞】(物事の)最初。起こり。【接続詞】改めて説き起こすとき,文頭に用いる語。いったい。だいたい。とあります。
簡単に考えれば、「そもそも」は「はじめに」あるいは「はじめから」と置き換えられないといけないようです。「そもそも、この組織のやっていることは反社会的である」というのは「はじめから(できたときから)、反社会的」という意味です。
テレビで山尾(菅野)志桜里さんが出ていたので、共謀罪(テロ等準備罪)成立のとき当時の安倍首相との「そもそも論議」を思い出しました。
共謀罪は野党側の命名で、提出した政府側はテロ等準備罪です。組織的犯罪集団が重大な犯罪行為を計画し準備をした(未だ犯罪を犯してはいない)段階で処罰できるということです。立憲民主党・共産党など野党や日弁連などの強い反対を押し切って、安倍政権下で2017年に成立しました。
その際にオウム真理教が組織的犯罪集団に当たるのかという議論がありました。山尾議員や逢坂議員の「組織的犯罪集団とは?」という質問に、安倍首相が「そもそも、犯罪を目的として集まった集団」と定義し、オウム真理教もそれに当たるとしました。
これに対して、それなら「オウム真理教は、そもそも(はじめから)は犯罪を目的としていなかったのだから当たらないじゃないか」と反論しました。安倍首相と内閣は「そもそも、にははじめからだだけではなく、基本的にという意味がある」と苦しめの見解を出して、山尾議員と大激論になりました。
「そもそも」は安倍首相の口癖のようなもので、結構な頻度で使っていた印象があります。多分、山尾さんはこれを知っていて「そもそも論議」を吹っ掛けたのだと思います。野党側の最初は組織的犯罪集団ではなかった団体が、途中で(政権側によって恣意的に)組織的犯罪集団と認定されてしまうのは拙いというのも理解できます。
「そもそも」という言葉を使うときは、ちょっと気をつけないといけませんね。ところで、ワイドショーは、統一教会ネタで100日引っ張っているわけですが、「そもそも」の問題は何だったのか、わからなくなっていませんか?