英連邦は世界平和に不可欠な存在と思う

エリザベス女王が最後に(亡くなる2日前)に信任したトラス首相が、英国史上最短の50日で退陣しました。

 

退陣に至った直接的な原因は、トラス首相が発表した英国経済の復興のために日本円で7兆円を超える臨時の減税をおこなうという政策です。減税は結構なんですが、財源の裏付けがなかったもので、金融市場が混乱に陥りました。この結果、トラス首相は減税案を撤回することになりましたが、減税に期待してトラス首相を選んだ保守党員にとっては裏切りです。支持率が大幅に下落して、辞任表明を強いられることになりました。

 

 

まぁ、英国の事情はよくわからないのですが、財源の裏付けがない政策を実行することはできないです。何でもかんでも借金で賄うというのも無茶ですよね。会社の経営でも同じです。

 

英国経済の苦境の原因はEUからの離脱(ブレグジット)にあると言われています。英国は、大きな経済(政治)の枠組みから離れて独立することを選んだわけですが、この真意もはかり知れません。そもそも英国は7つの海を支配する大英帝国なので、大きな枠組みには親和性があるように思います。

 

英連邦の中心は英国王室です。君主として70年に渡って英連邦を統治していたエリザベス女王が亡くなりました。このことは今後の英国の行き方を予兆するのかも知れません。エリザベス女王あっての英連邦と考える人もたくさんいるようです。

 

EU離脱によって人気を得た保守党政権ですが、離脱を可としないスコットランド(北アイルランドも?)の独立という可能性が再び高まってきそうです。連合王国を形成する4つの国が分離して、イングランドが単独国家となることがあるかも知れません。

 

しかし、米中二極対立時代を迎えつつある世界の安定と安全にとって、英国=連合王国はもとより、英連邦という緩やかな集合体の大きさが維持されることは価値あることだと思います。二大勢力だけとなれば、統一をめざした世界戦争の危険が高まります。英連邦はインドの14億人を含めて26億人で世界人口の1/3を占めます。

 

スナク新首相はインドにルーツがあるということです。チャールズ新国王とともに、連合王国・英連邦の結びつきを維持し、強化してくれることを期待しましょう。