BCP作成の前段階。消防計画を見直してみる

2010年に会社の鉄筋コンクリート6階建て建物を売却しました。

 

山手線内側の結構いい場所にありましたが、築50年近く経っていました。耐震性に疑問があったこともあり、買い手(マンションデベロッパー)から良い条件が提示されたので、割ととんとん拍子に売却が決まりました。新しいオフィスは湾岸にある新しいビルのワンフロアを借りることにして、引っ越しをしました。

 

東日本大震災(お台場の火事)
東日本大震災(お台場の火事)

引っ越して半年足らずで東日本大震災が発生しました。新しいオフィスでも大きな揺れでしたが、パーテーションが少しズレるくらいで大きな被害はありませんでした。

隣のビルでは屋上にあった貯水槽の配管か何かが破損したようで、タワーリングインフェルノのように水が流れていました。お台場の火事が近くに見えますし、余震も続くので結構怖かったです。

 

元の建物にいても、大したことにはならなかったのかも知れませんが、引っ越しておいてよかったなぁと思いました。社員の多くが運の良さを感じたました。

 

それはさておき、オフィスビルの事務所でも防火管理者を選任して消防計画をつくり、実行する義務があります。防火管理制度については、東京消防庁の「防火管理実践ガイド」がわかりやすいので参照してください。

テナントビルに関する防火管理の規定は、2012年に改正されてビル全体の統括防火管理者の指示のもと、各防火管理者が管理するように体制が強化されています。

 

しかし、事業者や事業所の管理責任者で消防計画に関心を持つ人は少なく、消防計画を作成して届けることが目的になる形骸化していることもあります。また、防火管理や消防計画という名称から、火事を強く連想してしまうのですが、この計画では震災対応も重要です。

 

事業者さんから、BCPを策定するので支援して欲しいという相談を受けることがありますが、消防計画はどうなっていますか?と尋ねると怪しいときがあります。消防計画をつくっている事業所の場合は、BCPの非常時の対策はすでに盛り込まれていることも多いです。

どんな計画でも、つくっても運用しないと意味がないですし、既に計画があるうえに新しい計画をつくっても仕方ないです。いろいろな法規制によって、たくさんのルールや計画がすでにあることは多いので、棚卸をしてこれを見直すことは合理的です。