大豆や菜種からつくる食用油の値上げが続いています。
元々、中国や東南アジア諸国での需要が旺盛になり品不足で値段が上がってきていたなかで、ロシアのウクライナ侵攻が起こりました。ロシアとウクライナが大豆や菜種の大生産地だったので影響が大きいです。また、大半の原料を輸入しているので、円安の影響もそのまま受けています。
菜種の国別生産量は、カナダが1位、中国が2位でロシアは7位、ウクライナが8位です。開花した菜種畑はウクライナ国旗のデザインと似ています。
さて、食用油の値段が上がっているというのは、リサイクルには好都合です。廃食用油をディーゼル燃料に使用するBDF(Bio Diesel Fuel)の取組が加速するのではないかと期待してみました。
石油資源の枯渇が近づいていますし、地球温暖化はさらに深刻度を増しています。カーボンニュートラルな廃食用油由来BDFが普及するといいと思ったので調べてみました。
「全国油脂事業協同組合連合会」のwebサイトからです。
日本で使用される食用油は年間248万トンで、事業で206万トン・家庭で42万トンが消費されています。このうち、事業から40万トン・家庭から10万トンが廃棄されるのです。
しかし、事業から出る40万トンのうち38万トンは既にリサイクルされているというわけです。内訳は飼料用20万トン、工業用5万トン、燃料用13万トン(輸出含む)で、廃棄されるのは再生不可能な2万トンだけです。
また、家庭から出る廃食用油10万トンは総量としては大きいですが、リサイクルのために集めるのに使う燃料のほうが多くなりそうです。
考え方としては、海外に輸出されている燃料用廃食用油を国内で使う、飼料原料用を燃料用に回す、といったことですが、トータルのライフサイクルコストの違いをよく考えないといけないようです。それにしても、こんなにリサイクル率が高いとは思いませんでした。