空調機器の経年劣化は意外に大きい

空調機器を更新すると、期待した以上の省エネ効果が得られるのが普通です。

 

この原因は、空調機器は(もちろん、どんな機械でも同じなんですが)使っているうちに経時劣化していくからです。カタログに書いてあるエネルギー効率は、当たり前のことですが新品のときの効率です。購入してから、10年とか15年とか経過した空調機器はカタログ通りの能力を出していないのです。では、その程度はどのくらいでしょう。

 

空調機器の経年劣化
空調機器の経年劣化

よく出てくるのが、右のグラフです。経年劣化は毎年4~5%のペースで進んで、10年も経つと電気使用量が1.5倍になるというものです。これは、さすがに実感がわきません。

 

このデータは2009年に家庭用の小型エアコン(6畳用)41台を調査した結果です。

使用条件など細かいことは知らないのですが、家庭用エアコンは買ったらそのままメンテナンスをしないので、少々厳しめな印象を持っていました。

 

しかし、ネット検索すると業務用の空調機の劣化率を調べたデータが複数見つかりました。データはいろいろなのですが、経年劣化率は小さいものでも1%以上、高いものでは7%台(摩耗期では20%以上)までありました。

 

経年変化率の低い1%台のデータは、定期的なオーバーホールをおこなっている機械でした。ということは、メンテナンスをあまりおこなわなかった場合は、業務用の中型~大型空調機でも、家庭用の小型エアコンと同じように4~5%の経年劣化があるのかも知れません。

 

10年以上も使っている空調機の更新は、意外に大きなコストダウンにつながるようです。ただ、新しい空調機も使えば古くなりますから、きちんとした点検とメンテナンスが重要なようです。