大型で猛烈な台風14号が日本列島に接近中です。大きな被害が心配されています。
台風1つのエネルギー量は1~500エクサジュール(EJ)だそうです。エクサ(E)は10の18乗で1エクサは百京です。ギガの1000倍がテラ、テラの1000倍がペタで、ペタの1000倍がエクサです。ジュールはエネルギーの単位で、1ニュートンの力が物体を1メートル動かすときのエネルギー量(なんのこっちゃですが?)です。
今回の台風14号は過去に例があまりないほどの巨大台風ということです。エネルギー量は数百EJと予想されます。仮に100EJとしてみます。
日本の年間発電量が20EJですから、この台風1つで日本の電気を5年分が賄えます。
台風は自然エネルギーですから、カーボンフリーです。積極的に活用しない手はありません。しかも、台風は比較的安定したエネルギー源になる可能性があります。
毎年平均して25個の台風が発生しています。台風に格付されなかった熱帯低気圧も含めると、利用できる台風様のものは年間30個。それぞれ5日間利用するなら、年間150日になります。
具体的に台風エネルギーを最も有効に使うにはどうすればいいのか?です。現在、考えられている方法で可能性が高そうなのは、以下のようなものです。
巨大タンカー船(20~50万トン級)並みの大型帆船を建造します。<このくらいの船は台風に接近しても大丈夫です>
帆船といっても帆は鋼製です。この船の下に直径50メートルの巨大なローターを取り付けます。台風の風を受けて走る巨大船の下で、台風の風がつくる潮流と相まってローターは回転し、発電します。<風力発電の風車は台風の風速(17メートル以上)では強度がもたないです>
巨大船の内部には、二酸化炭素の貯留槽(陸上の火力発電所の排ガスから回収したものも含まれます)があります。台風エネルギーで発電した電力で、二酸化炭素をメタンに変換して、今度はメタン貯留槽に保管します。メタンは都市ガスの原料です。
巨大船は台風のエネルギーでつくったメタンを満載して、台風の風の力で日本列島へと近づいていきます。日本でメタンを降ろした巨大船は再び風の力で南の海へと向かっていくというわけです。結構、現実味がある計画で、奇想天外とまでは言えないように思います。
巨大船を100隻ほどの船団にして運用すれば、計算上は日本の消費エネルギーをすべて賄うことができそうです。いかがでしょうか?