山口県は本州の西端にあたるので、夕陽の美しい名所がたくさんあります。
日本人は夕陽が好きです。夕陽は、昼と夜の端境で常夜(常世)と繋がるときです。
Wikipediaを引くと、”常夜(とこよ)とは、常世(とこよ)、かくりよ(隠世、幽世)ともいい、永久に変わらない神域。日本神話や古神道や神道の重要な二律する世界観の一方であり、対義語として「現世(うつしよ)」がある。”
日本は極東の島国です。日本人の祖先は、いずれにしても西からやってきました。日本人の魂の故郷は、夕陽の沈む方向にあるわけです。いつか西に戻っていきたいのです。
夕陽が沈む瞬間に、現世と常夜(常世)の国とのゲートが一瞬だけ開くのです。わたつみのくに(綿津見国)は、浦島太郎の竜宮城のように海底にあるのか、遠く雲の上にあるのかは、わかりません。ぼんやり、西の方にあるのです。
大陸に住み人たちの信仰は、多くが上と下を意識します。神は天上にあります。
一方で、島国に住む日本人の信仰は、水平を意識します。東には薬師の浄瑠璃浄土があり,北は弥勒の兜率浄土があり,南は観音の補陀落浄土があり、西は阿弥陀がいる極楽浄土があります。
大陸の人が進行する神は唯一無二の存在です。統一教会がキリスト教会から邪教とされるのは、イエスを唯一神としていない(聖書を唯一の拠り所としていない)ことです。
一方で、日本人が感じる神や仏は、融通無碍で、どこにでも無数に存在します。美しい夕陽を眺めるとき、日本人の多くが神や仏のただならぬ気配を感じるものです。それは、ほんの一瞬だけ常夜(常世)の空気が身体を通り抜けたということです。
夕陽のきれいな山口県。おいでませ、山口へ!