「無症状の病人」という不思議を不思議に思わない不思議

日本人が「無症状の病人」という摩訶不思議なものを、容易に受け入れるようになった背景は、成人病検診の普及でしょうか。

 

タイムマシンでほんの少し前の時代に戻ってみます。お医者に「あなたは何の症状もなくて元気だけれど、病気です。治療をしますから入院してください。10日ほどしたら、症状はないままに完治します。はい、今日の費用は○○円です。10日では○○万円ですが、政府が負担するから心配しないでね。」と言われたなら、どう思ったでしょうね?

 

日本人の多くが、自覚症状が無いのに病気だという状況を受け入れるようになったのは、人間ドックや成人病検診の影響が大きいようです。身体の中に小さながんが見つかって、今は自覚症状がなくても、近いうちに大きくなるかも知れないので、早めに治療しましょうというわけです。

 

新型コロナの場合は、ウイルス感染症なのでこうしたがんなどの予防を目的とした検診とは全く違います。無症状であったり、本人に自覚がないのであれば、そもそも疾患ではないのですが、がん検診の習慣がなんとなく誤解させて、不思議を不思議と思わずに納得してしまいます。ある時点で無症状だが感染者とされた人が、その後に有症状となり、重症となるケースはゼロに近い(何にでも例外はありますが)わけですし、感染症は時間と共に酷くなると決まった病気ではありません。

 

無症状の人が他人に感染を広げるという説もあったのですが、既に科学的には否定されています。医療も人間も、自然科学の法則に則って存在しているわけですから、その原理に反することは滅多におきない(何にでも例外はありますが)のです。マスコミやSNSで妙な屁理屈をこねている医師さんの妄想に付き合うのも、そろそろ止めてはどうでしょうか。

 

※ 自然科学の原理とは例外を排除して見出されるものです。逆に、例外を取り上げるのが報道でありマスコミです。滅多におこらないからニュースになるのです。そういう意味で、自然原理を無視する医師とマスコミの相性はいいわけです。

 

人には、遍く自由に平安に生活する権利があります。生半可な悪知恵で、人々の権利を侵害することで、バブルを謳歌してきた人たちには、そろそろ満足して矛を収めてはいただけないでしょうか?

 

医療が崩壊すると言われますが、日本に3万台ある人工呼吸器とECMOのうち、新型コロナ患者に使うためにキープしているのが2165台で、実際に使われているのは今日現在174台です。こちらは事実です。