プロフェッショナル人材を事業まるごと受け入れるのはいかが

山口県プロフェッショナル人材拠点という組織というか事業があります。

 

この事業は全国の都道府県でもおこなわれていて、主な趣旨としては大企業のベテラン社員(定年まで未だ期間がある社員のイメージ)やシニア社員(定年間近あるいは定年再雇用)やOBなどのプロフェッショナルな人材に、地方の中小企業に移ってもらい、能力を発揮してもらおうということです。

 

シニア人材
シニア人材

首都圏などの大手企業で活躍した深い専門知識や豊富な実務経験を有する人材と、地方の中小企業がうまくマッチングできて、移籍してもらえれば当該企業の業容の拡大に貢献する。

同じように大手企業のOBなどに、地方の中小企業の技術や経営を側面から経営相談やセミナー、リーダー育成塾などのかたちで支援してもらう。

 

高齢化社会となった日本にとって、こうした取り組みは正しいとは思いますが、なかなかマッチングに成功した好事例は少ないようです。

 

その理由は主に二つで、地方の中小企業にとって「役に立つプロフェッショナル人材」が実際には少ないということが一つです。

もう一つ大きい理由は、定年延長や再雇用でそもそも大企業から人材が出てこないということです。人生100年時代とはいうものの、健康寿命は男性で72.68歳、女性で75.38歳です。企業で一定の成果を上げてもらうには少なくとも10年、できれば15年は欲しいところです。そうなれば、遅くとも60歳、できれば55歳までの人材を求めます。

 

そこで今後考えられるのは、大企業のなかの小さな事業を、中小企業とマッチングすることです。京セラのアメーバー経営というのもありますが、大企業といっても大きな事業ばかり手掛けているわけではありません。いろいろな経緯から、小さな事業もあるのです。

 

本流ではない小さな事業でも、担当しているのはプロフェッショナル人材です。大きな事業部の部長よりも、小さな事業部の責任者だけど課長待遇なんて人の方が、よほどプロフェッショナルかも知れません。そこで、その小さな事業部をまるごと、大企業から切り離して中小企業に移ってもらうのです。

 

これは、存外成功事例がでてきそうな気がします。

大企業にとって小さな事業でも、中小企業にとっては大事業ですから、扱いが全く変わります。モチベーションも高まって、大化けする可能性があるように思います。

山口県には買い手になる中小企業はかなりありそうですし、大企業側が一定の支援をおこなえば、Win-Winで結実することが期待できそうです。