宇部市で鉄道廃線跡の活用に取り組んでいる人たちがあります。
既に鉄路は撤去されており、鉄橋も基礎しか残っていません。駅のホームも石組みしかないので、言われないと駅があったことにも気づきません。長年放置されて、生い茂ってしまった草木を取り除いたら、山間にしては幅の広い遊歩道が登場したということです。それでも、その昔は、人や荷物(主に石炭です)を運んで汽車が通っていたと思うと少々心が躍ります。
廃線跡というのは、遊歩道としては実に優秀です。幅がそこそこ広いうえに、まぁまぁ真っすぐで、高低差も大きくありません。
安全に歩けますし、景色も開けていて、気分がいいものです。駅の跡地などもあるので、少し広い休憩所もあります。
子供たちが駆け回り、親たちが追っかけて、年寄りたちが見守るように再生されると、いいなぁと願います。
廃線跡の活用で最も重要なのはそこが「廃墟/棄てられた場所」であることです。往時には、その当時の最新のテクノロジーであった蒸気機関車が、日本の経済発展を支えた石炭を積んで疾走していたわけです。
その棄てられ崩れ落ちたところを、歩くこと。そして、そこが再生されることに感慨を持ちます。人間は何故だか、パンクなもの、ジャンクなものに心を踊ろされるところがあります。
世界遺産に登録されている明治日本の産業革命遺産では、軍艦島なんかは廃墟そのものです。萩市の萩反射炉や恵美須ケ鼻造船所跡もまぁ廃墟ですし、中国地方では石見銀山や原爆ドームも廃墟といってもよさそうです。廃墟は世代と世代を繋ぐ役割を果たすようです。日本に(山口県に・宇部に)たくさんある廃墟を”きちんとした廃墟”として、残し活用していくことの意義は大きいように思います。
廃線・廃墟!フォーエバー!!