GHGはCO2だけじゃない。メタン排出抑制に日本の貢献は

カーボンニュートラルで地球温暖化を防止といっても、温室効果ガスは二酸化炭素だけではありません。

 

GHG(グリーンハウスガス:温室効果ガス)には二酸化炭素以外ものもあります。日本で最も注目されているのは、空調機などの冷媒であるフロンです。このブログでも何度か紹介しているようにフロンの漏出は防止しないといけません。世界規模ではメタンが最も重要な意味を持ちます。メタンは二酸化炭素と比較して温室効果がとても強いガスですが、大量に大気中に放出されています。

 

GHGの内訳
GHGの内訳

GHGのガス別内訳で、メタンは第2位で全体の16%を占めます。

 

メタンの温室効果は20年基準では二酸化炭素の86倍です。二酸化炭素は大気中に100~200年もとどまりますが、メタンは10~12年くらいで分解されて無くなります。

短寿命気候汚染物質(SLCP)といわれるのですが、地球温暖化を早期に改善するにはSLCPの排出抑制は即効的です。

 

メタンの主な発生源は、石油や天然ガスの掘削、廃棄物の発酵などもありますが、日本やアジア・オセアニアなどでは、農畜産分野が中心です。

とりわけ水田と牛のげっぷと排泄物が課題になっています。メタンの発生量の40%が農畜産分野です。水稲栽培で中干を入れたり、牛にげっぷの出にくい餌を与えるなど、いろいろ研究が進んできています。

 

アジアを牽引する日本としては、水稲栽培からのメタン発生量を抑制する技術開発に世界の期待が集まっています。アジアのメタン排出量の半分は中国が由来ですが、発生抑制に至っていません。日本の技術開発とアジアへの展開は、アジアでの日本のプレゼンスを高めることにもなりますから、今流行りで言えば開かれたインド太平洋の安全保障にも貢献します。