経済的な相互依存関係が強いので、乱暴なことはしないだろう、というのは幻想です。
大国はいくらでも乱暴なことをするというのは、ロシアのウクライナ侵攻によっても裏付けされました。中国が台湾に侵攻する可能性は、これまでも年々高まってきていましたが、もはやいつ起こってもおかしくない状況です。中小企業者としては、対中国依存度を下げるアクションを加速していかなければなりません。
ここで、中国の脅威について、とやかく言うことは避けましょう。今後の経営者がとるべき道筋について考えます
日本の輸入総額のうち、中国のシェアは最大で24.1%です。一昨年、コロナ騒動でマスクの大半が中国製だったことに驚きましたが、マスク以上に中国依存している商品がたくさんあります。
パソコン、携帯電話。ゲーム機などは中国製シェアが90%超です。衣類や靴や鞄などは、ASEANへの移動をしようと考えてはいましたが、まだまだ中国依存から抜け出せていません。これらの輸入品が、突然途絶えるリスクを考えておくことが求められます。
もちろん、途絶えるかどうかはわからないのですが、実際に起こったときに「想定外でした」というようでは経営者失格と言われます。
もちろん、中国の側も、人口大国であり輸入大国でもあります。他国の製品が入ってこないと困ることは困ります。しかし、中国以上に経済が貿易に頼っていたロシアが、ウクライナに攻め込んだのですから、当てにはなりません。大国は、そもそも輸入が途絶えても何とかなりますし、アングラルートの全てが切れることはありません。(北朝鮮にいくら経済制裁をしても完全には止められないことでわかります。)
とにかく、中国への輸出が突然できなくなるリスクも考えておくときでしょう。さらに、中国に様々な資産を持っている事業者の場合には、それらが全く失われる可能性を考えなければなりません。
対中国依存の程度も、その内容も、事業者毎の事情がありますから、一概には言えません。大雑把に言えば、よりリスクの低い国へのシフトが最初に考えられます。もちろん、日本企業にとって最もリスクの低い国は、自国の日本です。国内に顧客やサプライチェーンを持つことが重要です。次には、欧米諸国とASEAN諸国ということになります。
国の政策としても、対中国依存度の低減は重要度を増してくると思います。その政策にうまくマッチできるように、予め経営戦略を練っておくことです。ロシアのウクライナ侵攻に際して、中国が支援することを想定した経済制裁が既に検討されています。これらを参考にして考えてみるものよさそうです。