昨年3月に日本酒の地理的表示(GI認証)に「萩」が指定されています。
山口県酒造組合のwebサイトによると、山口県の酒造業者は24社です。最大手は、ご存知「獺祭(だっさい)」の旭酒造(岩国市)です。昨年の売上高は141億円と急成長の勢いは止まりません。その他の23社は、みな中小企業です。24社のうち6社が萩市(阿武町含む)に所在していて、「GI萩」を構成しています。
萩市の酒蔵は萩城下町に集中してあるのではなく、周辺の山間部に点在しています。
萩地区は、北側は日本海に面して平地が少なく、南側は阿武火山帯が造った標高400mまでの中山間地が広がります。山と山の間に小さな水田がありますが、火山性土壌でミネラルが多く、山間部で一日の気温差も大きいので、酒米の生産に適しているそうです。
萩市にある6社の酒蔵で「GI萩」を構成しています。順不同で以下の6社です。
阿武の鶴酒造:代表銘柄「阿武の鶴」(創業1914年)
岩崎酒造:「長陽福娘」(1901年)
岡崎酒造場:「長門峡」(1924年)
澄川酒造場:「東洋美人)(1921年)
中村酒造:「宝船」(1902年)
八千代酒造:「八千代」(1887年)
堂々たる老舗酒蔵ばかりです。萩では、飲み比べができるお店もいくつかあるそうです。萩、山口にお越しの際には、ご賞味いただければと思います。
酒蔵というのは、長寿企業が多いです。酒は百薬の長で、長命を寿ぐものですから、長寿企業であることがブランド価値です。長寿が長寿を呼びます。
山口県の24蔵で、最も古いのは三井酒造場:「涛乃花」の創業 寛文8年(1668年)です。2番目が堀江酒場「金雀」明和元年(1764年)、以下、はつもみぢ「原田」文政2年(1819年)、中島屋酒造場「寿」文政6年(1823年)と続き、この4社が明治より前(江戸時代)の創業です。また、山口県では、昭和以降の創業は2社だけで、18社は明治・大正期に創業しています。
ついでで調べてみると、日本に現存する酒蔵で最も古いのは、茨城県の須藤本家「郷の誉」でした。創業は平安時代に遡り、少なくとも1141年には酒を造っていたそうです。鎌倉殿もまだ生まれておりません。すごいですね。