十数年前ですが、神道系新宗教のクリスマスミサに御呼ばれしたことがあります。
神道なのにクリスマス(キリストの誕生祝)とは何か?と不思議に思いましたが、キリストもその宗教の弟子筋にあたるということのようです。釈迦もマホメットも、ガンジーもワシントンもみんな弟子筋のようです。古今東西、八百万の神々のなかには、キリストや釈迦を指導した神もいたでしょうし、みんなで世界をパラダイスにしようということですから納得です。
もともと、会社が近くに300坪ほどの敷地とちょっとした工場を持っていました。
従業員が2人ほど常駐していて、普段は図面を書いたり、塩ビ製の小物をつくっていました。たまに、大きな製作物があると、外注の職人を入れてつくっていました。
この工場から少し離れたところに、巨大な宗教施設が建ちました。まさに神殿です。
我々は宗教とは関係ないので、あまり気になりません。それに、距離は近いのですが、直接の道路がつながっていないので、迂回していくとクルマでも結構時間がかかります。あんまりご近所という印象もなかったのです。
工場のまわりは、某大手企業のグラウンドとか、別の会社の資材倉庫などで、それほど重要な施設はありません。巨大神殿が建ってから、これらの土地を教会が買い求めて、いつのまにか工場の左右とも宗教団体の所有になりました。
ついに、町の不動産屋さんから、工場の土地を売ってくれないか?という話がありました。まぁ、覚悟もしていたので売却することになり、相応の金額でお譲りました。
その経緯から、クリスマス会にご招待されたという次第です。ゲスト席で観覧させていただきました。隣はその市の前市長さんです。
祝詞奏上のようなものもあったのですが、基本は学園祭のノリです。千人を超える信者さんの前で、教祖さんのお子さんがリードするバンドの演奏やら、サンタの衣装の信者さんチームの踊りやら、楽しいイベントでした。
まぁ、宗教の本質とは、これでいいのだ!と思ったのも確かです。鎌倉時代に生まれた新仏教が、現在の日本仏教では大勢を占めていますが、ちょっと似ています。
ちなみに、教会の人に何か困っていることはありますか?と尋ねると、神殿で雨漏りがなかなか直らないそうです。梁も壁も曲線・曲面を多用して、どこにも直線や平板が無いような造りの建物で、雨仕舞いは難しそうです。ゼネコンさんの苦労をしのびながら、お暇しました。