東京エリアで明日の電力需給が厳しくなると【需給ひっ迫注意報】が発令されました。
≪経産省のリリースの抜粋≫ 「明日6月27日(月曜日)は、気温が上昇する見通しで、東京エリアの電力需給は16時30分から17時の予備率が3.7%の予想である。夕方15時~18時の時間帯は、使っていない照明を消すなど無理のない範囲でできる限りの節電をお願いします。」
東京エリアの電力需給ひっ迫が予想される時間帯の需要予測値は4991万kWで、供給力は5224万kWです。余力は233万kWで予備率は4.5%です。(26日17:40時点の予想)
前回、3月22日に東京エリアに【電力ひっ迫警報】が出されました。今回は注意報なので大丈夫かというと少し違います。
3月22日の警報は、季節外れの寒波によって暖房用の電力需要が増加したことが要因ですが、併せて一週間前の3月16日に発生した福島沖地震による火力発電所のトラブルが重なっていました。地震発生直後は、火力発電所14基(合計648万kW)が停止しており、3月22日時点では5基(合計158万kW)が運転再開していましたが、まだ490万kW分の供給力が失われていました。
今回は、地震の影響もなく、猛暑とはいっても通常に予想される範囲内の気象状況です。このまま、放置しておいてよい状況ではありません。根本的に、電力供給の余裕率を上げていく必要があります。安全が確認された原子力発電所の再稼働は、地球温暖化防止の観点からも進めるべきだと強く思います。
特に問題なのは、電気はモノではなくて、「電子の流れ」です。倉庫に貯めておくというものではないのです。
需要と供給のバランスと周波数の関係が下のイラストです。需要が過大になると周波数が低下し、供給が過大になると周波数が上昇します。
周波数が変動すると電気機器の稼働に支障が出ますから、電力の需要と供給は完璧に一致させておく必要があります。これが、電力の安定供給のネックで、再生可能エネルギーに頼ることができない理由でもあります。
この電力供給の仕組みがよくわかるのが、資源エネルギー庁webサイトの「キッズページ」にある「電力バランスゲーム~町に電気をとどけよう~」です。小中学生を対象にしたゲームですが、電力供給の難しさがわかりますから、大人に方にもお勧めです。