【Yahoo!ニュース】吉田拓郎(76歳)が年内で芸能活動を終了する意向であることが24日分かった。
吉田拓郎は、広島皆実高校から修道大学というコースです。広島の人としては、よくあるコースです。大学を卒業した後、1970年に23歳でデビューしました。デビュー曲が「イメージの詩」です。「古い船を今動かせるのは古い水夫じゃないだろう」という印象的なフレーズで、世間を驚かせました。
「イメージの詩」は長い曲です。6分半くらいあります。
もっとも印象的なフレーズが、後半の冒頭にあります。おそらく、当時の多くの若者に影響を与えたと思います。
♬ 古い船には新しい水夫が 乗り込んで行くだろう / 古い船を今動かせるのは 古い水夫じゃないだろう / なぜなら古い船も新しい船のように 新しい海へでる / 古い水夫は知っているのさ 新しい海のこわさを ♫
しかし、吉田拓郎(当時は、吉田たくろう)の凄みは、「イメージの詩」の次に出すのが「結婚しようよ」という曲ということです。
♬ 僕の髪が肩までのびて 君と同じになったら / 約束どおり町の教会で 結婚しようよ MMMM ♫
今の若い人でも、たいていは知っているのではないでしょうか? 社会問題を問うそれまでのフォークソングとは全く違って、およそ歌謡曲のジャンルと言ってもよいです。
フォークソングファンをぶっ飛ばしたと思ったら、さらに続けて、放送作家だった岡本おさみの作詞で「旅の宿」をリリースします。
♩ 浴衣のきみはすすきのかんざし 熱燗徳利の首つまんで / もういっぱいいかがなんて / みょうに色っぽいね ♫
これ以降の1970年代は、かぐや姫をはじめとした「四畳半フォーク」の時代になり、松任谷由実など「ニューミュージック」の時代を経て、J-POPへと至ります。吉田拓郎は、フォークソングという古い船に乗り込んで、新しい海にでた、新しい水夫だったというわけです。
今でも、新しい水夫を欲している古い船はたくさんあります。さぁ、あなたなら、どの新しい海に出ますか?