技術の伝承が課題。錦帯橋の架け替え

錦帯橋は2001年から3年余りを掛けて「平成の架け替え」がおこなわれました。あれから18年が経ちました。

 

今朝の読売新聞の記事「やまぐちの100年③ 錦帯橋」からです。錦帯橋は木造5連のアーチ橋で世界に例が無い構造の橋です。橋の架け替えをするには、架け替えを経験した大工の存在が欠かせません。平成の架け替えの棟梁を務めた海老沢さんは76歳。この架け替えに参加して、次の架け替えの棟梁を務める予定の沖川さんは49歳です。

 

錦帯橋
錦帯橋

☞ 岩国市ホームページ『錦帯橋』

 

錦帯橋の特徴は反りです。上の絵でみると大したことが無いように思いますが、実際に渡ってみると結構大きな反りと気づきます。1橋で35mという長さもありますから、神社の境内にある神橋、太鼓橋に近い印象があります。

 

また、助木・鞍木・振れ止め木を設けた、木造橋としては国内はもとより世界に例をみない特殊な構造のものだそうです。さらに、錦帯橋では金物が多用されているのも大きな特徴です。江戸時代の毛利藩(岩国藩)はかなり豊かだったので、こういうお金のかかる工法が可能だったようです。これも錦帯橋のような橋が、他にはない理由です。

 

岩国市は架け替え技術を伝承するために、20年間隔で順次に架け替え工事をする計画でした。尚、この場合は、全てを新材で一気に架け替えるのではなく、一部は一旦解体して整備しなおした材料を再利用する計画です。3回の架け替え、60年で、材料が一巡するイメージです。

 

しかし、現在の橋は架け替えなくとも60年はもつということです。そこで、岩国市は昨年、20年間隔での架け替えという計画を保留にしたそうです。もし、60年後に架け替えるとなると、全体を架け替えることになるかも知れません。大工さんの技術の伝承が途切れているという懸念と共に、部材の調達ができるのかという心配もあります。

どうしたものでしょうか?

 

それでも、四季折々折に美しい錦帯橋です。

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