防長四白。和ろうそくの灯は明るいか?

毛利家が奨励した防長三白(米・塩・綿)という話をしていたら、四白だよと教えられました。☞ 2021/02/13 阿知須の居蔵造~ひなもん祭り~

 

四つ目の白は「ろう(蝋)」なんだそうです。ロウソク(蝋燭)のろうです。はぜ(櫨)の実からつくられる天然の蝋、櫨蝋のことです。徳山には日本精蝋の大きな工場がありますが、こちらでつくられる蝋は、石油由来の蝋(ワックス)です。☞ 日本精蝋株式会社「ワックスとは:What is Wax?」

 

櫨の木(山口県田布施町)
櫨の木(山口県田布施町)

江戸時代に櫨蝋をたくさんつくっていた頃には、山口県内には櫨の木も数多く育てられていたそうです。しかし、蝋の生産が石油や合成樹脂を原料にするように変わっていったことから、櫨の木は無用となり伐採されていったということです。

 

田布施町などでは、櫨蝋を改めてつくろうという動きもある(あった)ようです。ネットで検索すると、櫨蝋のワックスについての記事が結構ででてきます。

いまから、櫨の木を植えても実が採取できて、蝋をつくるのに足るようになるのは随分と時間がかかりそうです。それでも、地域の特産品に育つ可能性もありますから、考えてみてもよいかもしれません。

 

櫨蝋の用途は、伝統的には、お相撲さんの鬢付け油や歌舞伎役者、舞妓さんの化粧下地。和箪笥など家具、弓道の弓や矢、将棋の駒などの磨き。そして、もちろん和蝋燭などです。

櫨蝋は、赤ちゃんが舐めても(食べても)害が無いそうですから、新しい用途も開発できそうです。いつの日にか、防長四白の復活もあるかも知れません。