今朝移動中のNHKラジオ「らじるラボ」のラボ句会。兼題が「冷蔵庫」でした。
ラボ句会は、元NHKアナウンサーの鈴木桂一郎さんが選者です。御年71歳ですが、ウエイトリフティングの現役選手でもあります。今日の句では、「冷蔵庫 キンキンツルリの おもてなし」が気に入りました。「冷蔵庫 座薬に湿布 目薬も」はアルアルです。タイトルの「金塊のごとくバタあり冷蔵庫」はラボ句会とは関係ありません。句に出てくるバタはバターです。冷蔵庫は電気冷蔵庫ではなく氷冷蔵庫です。
番組の中で、鈴木アナウンサーが氷冷蔵庫の思い出について話していました。
子供の頃、我が家にも氷冷蔵庫がありました。但し、氷冷蔵庫は台所に置いてあったのではなくて、家業をしている作業場にありました。台所には、電気冷蔵庫があったように思います。
寺町の細くて急な坂の途中に、氷屋さんがありました。小学校を卒業する直前まであったように思います。おじさんが、氷を変わった形のノコギリで切るのを、興味深く見ていた記憶があります。我が家の氷冷蔵庫の角氷は、その氷屋のおじさんが、カブの荷台に載せて運んできていたと思います。
その当時は、日本中に氷屋さんがあったわけです。あれから、半世紀が経って、町に氷屋さんはなくなりました。あの氷屋はどうなったのだろう? あのおじさんは、あれから何をしていたのだろうか?って気になります。
今思えば、あの氷屋さんは他の氷屋さんが廃業していくなかで、比較的長く営業を続けていたように思います。それでも、電気冷蔵庫に冷凍庫がつくようになり、業務用の電気式製氷機が普及していくなか、近く廃業する日が来ることは誰にでも予想がつきます。
あのときのおじさんは、どんなことを考えながら、仕事をしていたのだろうか? 次の仕事の準備をどうやってしていたのだろうか? 訊いてみたいような気がします。