1969年に「出る杭を求む!」という新聞広告を全国紙に出したのはソニーです。
「出る杭は打たれるが、出過ぎた杭は打たれない」というのは松下幸之助の名言とされます。初出はよくわかりませんが、同じく昭和の高度成長期と思われます。何となくなんですが、当時のソニーと松下電器(パナソニック)の違いを感じています。
いずれにしても、旧来のしがらみに埋没するのではなく、明るく開放的に飛び出す人に期待をしているわけです。
ただ、ソニーは全ての出る杭に期待していて、パナソニックはちょっと出る杭は叩き、出過ぎた杭にだけ期待をしているように思います。
ソニーの「出る杭を求む」を言い換えれば、能力があって成果を出すスペシャリストを求むけど、そうじゃない凡庸な人は要らないよっ、てイメージです。
パナソニックのイメージは、広く人材を集めて仕事をするなかで、調和を乱すような出る杭は叩き均していくが、特別な能力を発揮できる出過ぎた杭は徹底的に伸ばす、という印象です。
ソニーもパナソニックも、ともに日本を代表するグローバル企業です。あくまで個人的な感想なんですが、ちょっと社風が違うのかなと思います。それは、銀座数寄屋橋のソニービル(今はSony park)と、門真のパナソニックミュージアムの違いなんかに現れているように感じます。
しかし、現代においては、50年前のソニーやパナソニックほど、多くの企業が「出る杭・出過ぎる杭」を求めているのか?はちょっと不安です。むしろ、今の方が閉鎖的で陰鬱なことになってはいないか?と思ったりします。