全国の全ての都道府県では、シンボルとなる鳥が指定されています。
山口県の鳥はナベヅルです。山口県周南市の八代盆地は本州で唯一のナベヅルの渡来地です。特別天然記念物に指定されています。中国地方では、広島県はアビ、岡山県はキジ、島根県はハクチョウ、鳥取県はオシドリ、ついでにお隣の福岡県はウグイスです。
市町村レベルになると、シンボルの花や木は選定されていますが、鳥の選定は珍しくて、山口県の市町村ではどこも指定がありませんでした。平成26年に山口県内の市町村で初めて、下関市が市のシンボル鳥としてペンギンを指定しました。
下関市のwebサイトによると、昭和32年に、旧大洋漁業の捕鯨船が下関港に入港し、旧水族館にエンペラーペンギンが寄贈されて以降、今日の海響館「ペンギン村」にいたるまで、約60年もの間、下関市民に愛され、親しまれています。ペンギンと深い関わりのある下関市が、シンボルの一つとして、「下関らしさ」をアピールするとともに、地元に対する愛着を深めるため、「市の鳥」に「ペンギン」を制定いたしました。
下関市立しものせき水族館「海響館」には、5種およそ140羽のペンギンが飼育されていて、人気を集めています。ペンギンは、群れで暮らしています。習性として、とても慎重というか臆病なので、仲間と離れて単独行動をとることはありません。
ベンチャー企業やベンチャー精神を表す言葉に、「ファーストペンギン」があります。
ペンギンの群れの中から、獲物を求めて最初に海に飛びこむペンギンのことを言います。ペンギンの棲む海には、トドやアザラシなど獰猛な海獣が待ち受けています。そうしたリスクを恐れず、初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主を、尊敬の意味を込めてファーストペンギンと呼びます。
ただし、ファーストペンギンが賞賛されるのは、トドに食われたりしないで、食料になる獲物を獲得したときだけです。準備も無く、蛮勇を振るって海に飛び込んで、偶然に成功を得たファーストペンギンもいるかも知れません。しかし、何らかの準備を基にして、餌を確実に獲得できるという確信をもって飛び込むファーストペンギンもいるはずです。
創業する人は、成功の確信を持ったうえでファーストペンギンになることが大事です。ハイリスク・ハイリターンと言いますが、ハイリターンを求めればハイリスクであるというのは正しいかも知れませんが、ハイリスクの事業がハイリターンであるわけではありません。
また、ハイリーターンとは投資に対して収益の割合が高いという意味です。小さな投資をする創業者にとってのハイリターンは、必ずしも他者を圧倒するような売上高とか、高い市場シェアの獲得を必要としません。”知る人ぞ知る”というマーケット(ブルーオーシャン)を見つけて、ファーストペンギンとして飛び込みたいものです。