日本で最初の恐竜化石は山口県で発見された

昨日NHKで「恐竜超世界 in Japan」という番組がありました。ちょっと微妙なのですが、日本で一番初めに恐竜化石が見つかったのは山口県です。知ってましたか?

 

微妙というのは次のような経緯からです。1965年(昭和40年)に山口県下関市で清水さんという方が「卵状化石」を見つけました。岩手県で日本最初の恐竜化石が見つかったのは1978年のことなので、当時の清水さんがこの化石と恐竜を結びつけることはありませんでした。この化石は、その後50年以上の間、清水さんの家に保管されていました。

 

恐竜化石が発見された場所
恐竜化石が発見された場所

2016年(平成28年)に、福井県立恐竜博物館、福井県立大学、美祢市化石館による共同調査で、この化石が恐竜の卵化石であると確認されたのです。恐竜としては、新種で比較的大型のものだそうです。

 

この結果、採集された時期としては「日本最初の恐竜化石」ということになりました。

☞ (福井県立恐竜博物館)2017.6.5 山口県下関市産の国内初の種類の恐竜卵化石について

 

尚、山口県では、他には恐竜の化石は見つかっていません。さらに言えば、中国地方5県でも他には発見されていません。

恐竜の化石が見つかるのは、主に白亜紀(1億4500万年前~6600万年前)の地層だそうです。山口県でも、例えば秋吉台などでは多くの化石が発見されています。美祢市化石館にもたくさん展示されていますが、古生物でも植物や貝などの化石ばかりです。白亜紀よりもっと古い時代の化石が多いということです。

 

NHKでも話題になっていましたが、恐竜の化石(卵じゃなくて骨格化石ですね)が発見されると、地元は盛り上がって、経済効果が大きいようです。

現在、わかっている「日本最初の恐竜骨格化石」は、岩手県岩泉町茂師(もし)で1978年に発見された「モシリュウ」です。比較的大型のかみなり竜だそうです。

 

その後、日本は恐竜発見ラッシュとなって、現在では北海道から鹿児島県まで、全国1道18県(山口県も含めて)で恐竜化石が発見されています。福井県立恐竜博物館や国立科学博物館、北九州市立いのちのたび博物館など、多くの恐竜化石の展示施設ができています。

 

さて、「日本最初の恐竜化石」は、学名が「ムルティフィスウーリトゥス・シモノセキエンシス(下関の多裂卵石)」といいます。下関市立考古博物館に常設展示されています。

少々マニアックな展示ではありますが、是非見学にお越しください。

・・おいでませ!山口へ