日本の国土の7割を占める森林をもっと利用しよう。
山村地域活性化にちょっと関わったので、森林の利活用についてのお話です。日本の森林面積は約25万㎢(国土の67%)と広大であることは、みんな知っています。さらに、この森林がどんどん膨らんでいます。戦後になって日本の森林の多くは伐採が進まないために、森林蓄積は52億㎥を超えるまで増えていっています。☞ 林野庁「森林の面積・蓄積 2017年」
森林蓄積が増えるということは、大気中の二酸化炭素が樹木に蓄えられたということになります。しかし、無限に増えていくはずはありませんし、あまりに膨れ上がるのは崩落の危険にもつながります。
木を切って材料として使ったり、燃料として燃やすことは、新しい森林蓄積につながり、環境保全・森林保全に貢献します。特に木質バイオマスとして、森林資源を燃料とすることを推進していくことは大切です。
広島県呉市に本社がある中国木材株式会社は、年商1,175億円(2021.6月期)で木材専門企業としては日本のトップ企業です。また、熱電供給型の木質バイオマス発電所を6箇所に設置しており、総発電容量は6.6万kWになります。こういう事業者が増えていくことは、素晴らしいです。
中国電力の新小野田発電所が、石炭と木質バイオマスの混焼に改造されてから13年になります。私の勤めていた工場は、新小野田発電所の隣にある(実は元の小野田発電所の跡地でもある)ので、21年前から新小野田発電所から蒸気供給を受けています。結果として、木質バイオマス由来の熱を(電力も)一部ですが使うことになりました。
電力や熱供給に木質バイオマスが使われる割合が増えることは地球環境にとってよいことです。また、ロシアのウクライナ侵略も影響して化石燃料価格は高騰していますし、そもそも供給不安もあります。国産の森林資源を活かさないわけにはいきません。
先日の関東地域での電力逼迫に対応するために、冬季の暖房に薪炭燃料を利用することはもっと推奨されるとよいですね。
日本では薪炭燃料を利用するのは、野外のバーベキューや居酒屋の囲炉裏、公共施設のペレットストーブくらいでかなり少ないのですが、実は欧米ではかなりの量が使われています。
1人当りの薪炭燃料消費量は、日本を1とすると、最も多いフィンランドでは6000、フランスで3000、アメリカで1000、ドイツやイタリアで500くらいです。欧米人に薪炭燃料を使う理由を訊くと、おもてなし・癒し・心が落ち着く・居心地がいいなど情緒的な答えが返ってくるそうです。
コロナ騒動で荒んだ心を癒すためにも、福祉施設などでもペレットストーブの導入を考えるとよいように思います。