SDGs目標16は、「Peace, Justice and Strong Institutions(平和、公正、そして強力な機関)」です。
ターゲットの1~5は、暴力・虐待・搾取・拷問を撲滅する。法の支配を進めて、司法へのアクセスを保証する。組織犯罪を根絶する。汚職や贈賄を減少させる。
ターゲットの6~10は、透明性の高い公共機関、正当な意思決定、グローバル・ガバナンス機関への参加、法的な身分保証、基本的自由の保障、国家機関の強化を掲げています。
SDGsは国連で採択された目標です。しかし、国連は、目標16の「平和と公正」を成し遂げるための強力な機関とはなり得ないという事実を明らかにしてしまいました。
ロシアのウクライナ侵略は、目標16が掲げるすべてのターゲットを無視して踏みにじっています。
殺戮を含む暴力・虐待・搾取などは映像を通じて世界に発信されています。シロヴァルヒやオルガルヒの汚職や腐敗の実態もあからさまになってきました。法の支配が成立しておらず、意思決定の正当性や透明性もありません。
ウクライナのゼレンスキー大統領の国会演説です。
「国際機関が、国連や安全保障理事会でさえも、機能しなかったことを目の当たりにしました。ただ議論するだけでなく真に決断し影響力を及ぼすためには、改革、そして誠実さが必要です。既存の安全保障体制を基盤にしては、この戦争を見れば、絶対にできません。私たちにはどんな侵略行為に対しても予防的に機能し、役に立つ、新たなツールや新たな保障体制が必要です。」と語っています。
SDGsは2030年に向けての目標です。2030年までに、人道に対して平和で公正な強力な機関を、世界の文明の多様性を尊重しながら新たに構築できるかが持続可能な開発の重要な鍵となりました。