ロシアのウクライナ侵略では、多量のミサイルなどの最新兵器が消費されています。これらの兵器にはたくさんの半導体が使用されています。
つまり、たくさんの半導体が消費されたことになるうえに、欧州諸国などは自国の安全保障のために軍備増強の動きです。兵器の増産が必要になりますから、半導体生産は今後も拡大していく必要があります。一方で、半導体製造に使用されるネオンガスの世界供給の15~20%がウクライナからだったので、これが途絶えると生産に支障が出るという話もあります。
軍事兵器用途の半導体は、民生用と比較して高性能なので生産性が劣るそうです。戦争で半導体が多量に消費され、戦争を続けるためにさらに多量に生産されるようになると、民生用半導体の不足につながります。
今でも、スマホやデジタルオーディオ、家電や自動車から給湯器まで、いろいろな製品が半導体不足で納期が長くなっています。これから、一層の半導体不足が懸念されます。
半導体の製造は、」かつては日本が№1でしたが、今ででは台湾、韓国、中国に集中しています。地理的リスクを考えれば日本国内での製造を増やそうというのは当然です。
しかし、半導体製造装置や製造材料では日本は一貫して世界シェアの№1を維持しています。これらの日本企業(特に、増産には人員が必要な装置メーカー)は、このところ大忙しの状況が続いています。装置メーカーに部品を供給する会社の工場が近くにあるのですが、話をしなくても、てんてこ舞いの様子がわかります。
ロシアのウクライナ侵略が長期化すると、半導体を巡る世界の情勢がまた変わってきそうです。日本企業や日本社会にどう影響するのか、注意が必要です。