韓国は大国且つ強国。新大統領の舵取りに期待

韓国大統領選挙で、元検事総長のユン・ソギョル(尹錫悦)氏が当選しました。

 

ユン・ソギョル氏は保守系野党で得票率が48.56%、革新系与党「共に民主党」のイ・ジェミョン氏が47.83%でした。その差は0.73ポイントと当に僅差の勝利です。実は、昨夜寝るまでイ・ジェミョン氏の勝利と予想していたので、朝のニュースをみて少々驚きました。

 

韓国大統領候補
韓国大統領候補

何故、イ・ジェミョン氏の勝利と思っていたのかというと、テレビの解説を鵜呑みにしたのです。投票日の出口調査ではユン氏が僅かにリードしたものの、投票率が予想を下回ったことで、期日前投票で有利とみられるイ氏が最後にはユン氏を上回るのではないかという解説でした。なるほど・・・。

 

実は、日本人には不人気ですが、韓国では現在のムン・ジェイン大統領には安定した支持があるように思います。

韓国の大統領というのは、再選ができない制度ということもあり、任期満了近くになると、いわゆるレームダックになって、結構グチャグチャになる人が多いようです。しかし、ムン大統領は任期満了の次期大統領選挙を迎えても、しっかりしています。歴代大統領のような不人気にはなっていません。

成功したとは言えないまでも、(また、トランプ氏という稀代のアメリカ大統領の存在もありますが)曲がりなりにも米朝対話を実現させたのは大きな成果と言えます。

 

そうであれば、韓国の革新と保守は2期10年交代というジンクスもあるので、革新系のイ氏が勝つ公算が高いと思っていたのです。しかし、予想は外れて、ユン氏が次期大統領に決まりました。ソウルの有権者が、不動産バブル問題に注目した結果なのかも知れませんし、ロシアのウクライナ侵略が保守的な心理を増したのかも知れません。

 

韓国は経済力(GDP)では、もともとロシアを上回っていました(IMFのランキングで世界10位。上はG7と中国・インド)。今後のロシアの経済力は縮小して、韓国の比較対象でもなくなります。韓国は世界有数の経済大国です。少子化が進むのは懸念材料ですが、財閥経済体制は強固で、経済成長率は日本を下回ることがありません。

 

韓国の国防予算は金額ベースでは日本とほぼ同じです。但し、徴兵制があって予備役を含めると600万人(ロシアでも300万人。日本は予備自衛官含めて30万人)が動員できる韓国の兵力は圧倒的で、世界有数の軍事大国です。加えて、在韓米軍(2.5万人:在日米軍5万人)は核の再配備をすることも容易で、韓国の軍事力は事実上は世界最強レベルといっても過言ではありません。

 

ところが、歴代の韓国大統領の振る舞いは、どうも自国の強さや大きさを理解していないように見えます。これは日本人から見れば、ということに止まらないと思います。

ユン次期大統領になって、実力通りに堂々たる強国として、韓国の舵取りをしてくれるとよいと思います。