北京パラリンピックが開幕しました。ウクライナで最も著名なスポーツ選手は、陸上棒高跳びのセルゲイ・ブブカで異論はないでしょう。
セルゲイ・ブブカは1963年生まれの58歳。棒高跳びで1985年に史上初めて6mを超えて「鳥人」と呼ばれました。1994年に出した6m14cmという記録は、2020年9月に破られるまで長く世界記録でした。2000年に引退した後は、長年IOCの理事を務め、ウクライナオリンピック委員会会長も務めています。
ブブカはロシアのウクライナ侵略に関して、国際社会との連帯をとるのに重要な人物だと思います。アスリートとしての実績に加えて、慈善活動家としても知られ、IOCで高い地位にもあります。
トーマス・バッハ(ドイツ)が、ウクライナとの連帯を表明し、援助をおこなうこと。さらに、ロシアとベラルーシの選手をオリンピック運動から除外することを決めたのは、ブブカの影響力があったと思います。
IOCでブブカの上席に当たるのは、東京オリンピックのマラソン札幌開催問題で有名になったセバスチャン・コー(イギリス)です。国際陸上競技連盟の会長であるコーと副会長のブブカは、ロシアの軍事侵略を強く非難しています。
また、世界アンチドーピング機関(WADA)の会長ヴィトルト・バンカ(ポーランド)も、次のようなコメントをしています。「スポーツと政治は切り離されるねきだが、平和のないスポーツはあり得ない。ウクライナへのロシアの侵略を強く非難する。スポーツコミュニティ全体が団結する必要がある。」
北京パラリンピックからロシアとベラルーシの選手が除外されました。両国から参加していた83人の選手には気の毒と思いますが、ロシアとベラルーシの1億5千万人を超える人々にメッセージを訴えることが重要でしょう。また、4400万のウクライナ人を守ることも大事です。