ロシア経済を読み解くキーワードが「シロヴァルヒ」です。「シロヴァルヒ」は「シロヴィッキ」+「オルガルヒ」を意味します。
「シロヴィッキ」は、ロシアの政権中枢にいる旧KGBをはじめとする治安・諜報・国防関係機関の出身者のことです。プーチンの忠実な手下たちです。「オルガルヒ」は、もともとはロシアの新興財閥のことです。プーチンはエリツィン時代の「オルガルヒ」を抑圧しました。そして、「シロヴィッキ」が「オルガルヒ」企業を引き継いで、「シロヴァルヒ」となり、プーチンに無限の財源を提供しています。
詳しいことは知らないので、Wikipediaを参考にしています。代表的なシロヴァルヒには次のような人物がいます。
イーゴリ・セーチン:元プーチンの秘書。ロシア連邦副首相であり、ロスネフチ(ロシア最大の国営石油会社)の会長。
セルゲイ・チェメゾフ:元KGB中将でプーチンの同僚だった。ロステック(ロシアの国営コングロマリッド:兵器、航空機、自動車、電機といった戦略上重要な工業製品を扱う)のCEO。
ウラジミール・ヤクーニン:元KGB諜報部員でプーチンの盟友。ロシア鉄道の会長。
さらにプーチンは、新しい「プーチンのオルガルヒ」を作り上げました。彼らはプーチンと癒着することで巨万の富を得ます。ガスブロムの会長:アレクセイ・ミレルやプーチンの金庫番と呼ばれるゲンナジー・ティムチェンコなどです。
ロシアの富の70%は国営企業が握っているとも言われ、シロヴィッキやプーチンのオルガルヒたちが抱える財産は最終的にはプーチンに帰属するようです。
欧米の経済制裁が、シロヴィッキやプーチンのオルガルヒにとってダメージになるものかは不明です。いずれの企業も極めて巧妙で大掛かりな仕掛けのなかで経営をしていることから、効果的な打撃を与えるのは容易ではなさそうです。