農産物の貿易統計を調べる用がありました。コロナ騒動の影響が垣間見えます。
農産物全体の輸入量はコロナ騒動の2020年には6.2兆円と、2019年の6.6兆円から6%弱減少しました。しかし、2021年には7.0兆円と回復しています。一方で、コロナ騒動の影響を受けて輸入量を大きく落としたのかな?と思われる農産物もいくつかあります。
レモンは2019年には119億円が輸入されましたが2021年は85億円と28%の減少です。ライムは22%、グレープフルーツは23%の減少でした。
果汁のグレープフルーツジュースも27%減、オレンジジュースは47%減、アップルジュースは15%減です。ミネラルウォーター類(水・鉱泉水・炭酸水)も25%減です。
全部が居酒屋・チューハイ需要ではないでしょうが、外食産業の営業自粛の影響は大きいようです。
同様に、果実類では、干しぶどう(18%減)、スイートアーモンド(12%減)、マカデミアナッツ(15%減)、乾燥豆(39%減)、冷凍枝豆(15%減)、落花生(21%減)などの減少が目立ちます。おつまみですよね。
カカオ脂(20%減)、カカオ豆(16%減)が減っているのはチョコレート需要と関係あるでしょうか?そういえば今年もバレンタインデーはあまり盛り上がっていなかったような気がします。チョコレートは年間支出の1/4が2月に集中するそうですが、風邪も2月に流行ります。
アルコール類(洋酒)の輸入も減っています。ワインとビールは4%の減少にとどまりましたが、ウイスキーは10%、ブランデーは40%の減少です。ビールの方は、国産ビールの販売不振でしょうか、麦芽の輸入が22%減っています。
畜産品では、ソーセージ(21%減)やハム・ベーコン(29%減)が減っているのも居酒屋需要の減少でしょう。
食品以外では、羊毛(53%減)・カシミヤ(62%減)、羽毛(21%減)、毛皮類(71%減)、生糸(35%減)などが減りました。オシャレしてお出掛けしないからですね。
変わったところでは、アロマオイルの輸入が30%減っています。
脱脂粉乳(43%減)や乳児用ミルクの原料になる乳清(58%減)の輸入が減っているのは、コロナ禍で牛乳需要が減少して、国産牛乳が余ったことによる間接的な影響でしょうか?
休業している外食店には給付金や協力金がありますが、こういった食品を取り扱う事業者にはなかなか支援は届かないようです。困りました。