北朝鮮が中距離弾道ミサイルの発射実験をおこないました。ミサイルはロフテッド軌道打ち上げられて高度2000㎞と宇宙空間に楽々届いています。
新しい兵器は戦争のプロセスそのものを変えます。北朝鮮が射程5000㎞といわれ、核弾頭を搭載できるミサイルを実用化できたことは、日本の安全保障に対して直接的且つ深刻な脅威です。もっとマスコミが取り上げたり、国会での論戦があったりしても当然と思うのですが、あまり見かけません。
ちょっと横道なんですが、北朝鮮のミサイル発射は将来の人工衛星(軍事衛星)発射の準備を兼ねているのではないかという記事を見ました。
日本で人工衛星といえば種子島宇宙センターです。そして、種子島といえば1543年の鉄砲伝来です。
鉄砲はポルトガル人から伝えられたわけですが、戦国時代だった日本では旺盛な需要がありました。鉄砲はすぐに日本で多量に模造されはじめ、数年のうちに日本全土に広がりました。
鉄砲の登場で、戦国時代の戦いのプロセスが全く変わってしまいます。それまでは、武将が槍を抱えて馬に乗って戦っていたわけですが、鉄砲の数とそれを扱う徒士の技量と連射の仕組みが戦いの優劣を決めました。
平安時代後半から続いていた日本の中世武家封建社会が、鉄砲という新しい兵器の登場によって崩壊していきます。
ここで、日本で鉄砲が大量に模造された際の最も大きな技術革新が「ねじ」です。
鉄砲を模倣して外見はポルトガル製とそっくりに作っても、試し撃ちをすると鉄砲の底が抜けて火が吹き出して使えません。このとき鉄底をふさいでいたのが「ねじ」です。このとき日本人ははじめて「ねじ」を目にしたと言われています。矢板金兵衛という種ケ島の鍛冶屋さんが苦労を重ねながら日本最初の「ねじ」をつくったということです。
私たちが何気なく使っている「ねじ」ですが、過去1000年で人類のもっとも重要な発見とも言われています。宇宙空間にロケットが打ち上げられるのも、「ねじ」が発明されていたからなんです。