昨日(15日)午後にトンガの火山島フンガトンガ・フンガハアパイ火山で大規模な噴火が発生しました。未だにトンガの状況は正確には分かっておらず心配です。
フンガハアパイ火山は、もともとは海底火山です。噴火によって海上に現れたり、また浸食されて沈んだりを繰り返しており、現在は2014年の噴火で島となっていたそうです。もちろん無人島ですが、新たに独立して海上に出現した島であることから、生命循環のシステムについて貴重な知見を与えるかも知れないと期待されています。
今朝方は、今回の火山噴火は1991年のフィリピン・ピナトゥボ火山噴火の規模を上回り、1883年のインドネシア・クラカタウ火山噴火の規模に匹敵する100年に1度以上の大規模噴火と報道されました。
ピナトゥボ火山の噴火では、噴出した火山灰によって日射が遮られて、地球の平均温度は最大で0.5℃下がりました。
1991年の噴火によって大気中に滞留した噴出物によって、1992年・1993年と2年続けて世界では冷害が発生しました。日本では、梅雨が長期間続いた1993年に、米が大不作となって海外から緊急輸入する事態となり、大いに困りました。
クラカウタ火山の噴火では、地球の平均気温が5年間に渡って最大で1.2℃下がりました。これを超える大噴火と聞いて、今回のフンガハアパイ火山の噴火が地球温暖化に急激な歯止めになるのかと考えました。
しかし、今のところは噴火の規模はピナトゥボ噴火よりも小規模のようです。地球温暖化に与える影響は小さそうです。もちろん、今後の火山活動がどうなっていくかは不明なので継続した注視は必要です。
今回の噴火は、日本から8000㎞離れた南半球で発生したのですが、日本で最大1.2mの津波を観測して船舶の転覆沈没などの被害も出ています。この津波の予想が難しく、メカニズムがわかりにくいということで、気圧波の関与などを指摘する人がありました。
実際は、火山噴火による地形の複雑な動きが要因で気圧波と津波の関係は薄そうです。しかし、気圧波を世界各地で観測できる機会はそれほど多くありません。
今回のように大規模なデータは貴重です。未だによくわかっていない地球の上層大気の構造を知る手掛かりになると期待されます。
フンガハアパイ火山の噴火が、地球温暖化をはじめとする複雑系の地球環境メカニズムの解明につながるかも知れません。
少々飛躍が過ぎました。
先ずは伝統的な親日国でもあるトンガ国民の生命と安全、被害からの復興を支援することです。