市民の関心は議員報酬にしかない

市民は議員の活動には関心が無く、報酬や政務活動費にしか興味を持たないのが実態です。

 

これは国会議員の場合に限らず、地方議員でも同じです。むしろ、市民が自らの生活の質を向上させようと思うのなら、地方議会の活性化に力を注ぐことが望ましいと思います。宇部市は地方都市としてはそこそこの規模です。人口16万人余りで全国に792ある市のなかで150番目くらいです。そんな宇部市でも議員の成り手がなかなかおりません。

 

山口県の選挙公報キャラ
山口県の選挙公報キャラ

前回2019年の統一地方選挙で、山口県議会議員宇部選挙区は定数5に対して立候補者が5人。無投票で当選が決まりました。自民現職2人に新人と元職の公明・共産・社民の3人です。

 

昨年(2020年)に宇部市長が健康上の理由があるとして突然辞任したことを受けて、自民県議のうち1人が市長に立候補しました。

それ以降、県議1人が欠員となっていましたが、来年1月に山口県知事選挙と同時に県議補選が行われるはこびです。

候補が何人もあればいいのですが・・・。

 

当たり前のことなんですが、地方議会というのは首長(行政の長)も議員も両方が市民による直接選挙で選ばれます。国の場合は国民が選ぶのは国会議員だけで、首相は国会議員が選びます。国会は「国権の最高機関」であり 「国の唯一の立法機関」ですが、地方議会は「議事機関」です。

☞ 条例の制定その他、地方公共団体の行政運営の基本的事項について、審議し、決定する権能を有する地方公共団体の機関、いわゆる議会のことをいう。

 

日本国憲法 

第93条 第1項 地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。

第2項 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、 その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

 

地方分権・地域主権・地方創生など言葉はいろいろありましたが、国(政府)から地方への権限移譲、各自治体の政治的意思決定の範囲の拡大は目指すべき方向なんだろうと思います。したがって、地方議会というものは、実は大事なものなんです。

ところが、昨年来のコロナ騒動で地方は主体性を自ら返上して、国に責任も権限も投げ返そうとしているように見えます。どこかで、歯止めが必要です。

 

しかし、市民の側は地方議会に関心がありません。もちろん、市民の側の問題もありますが、議会や議員も、何をやっているのか業務活動に関する情報公開が乏しくてわかりません。

結果として、議員の報酬がいくら(もらい過ぎだという批判)ということや、政務活動費の無駄遣いといったことにだけ、市民の興味が向かいます。

 

報酬や活動費を抑制した結果、議員のなり手は不足し、無投票当選や落選する人が極端に少ないことにつながります。悪循環です。

報酬や活動費を削るので、専業で議員活動をしていては生活が成り立たないことから、議員は高齢者が多くなり、女性が議員になることは一層難しいことになります。

 

地方議会は田舎になればなるほどですが、現役世代や女性の声は聞き届けられない構造になっています。結果として、若者は東京を目指すことになります。

できれば、それぞれの地方議会で議員年齢の中央値が今より5歳以上若くなり、議員の1/3は女性が務めるようにならないか?と考えています。(宇部市の具体的な数字をここに書くのは差し控えます。)