食品のクレームで最も多い異物混入。「もったいない」が原因になることが多いです。
異物の定義は「消費者が想定していないもの全て」です。食品の異物混入では、混入した異物の危険性とか有害性とかは関係ありません。そのものの混入をお客様が想定していなかったとすれば、全て異物混入となります。ここのところは、よく注意しなければなりません。
異物混入の原因は、人・材料・機械に大別できます。
人からの異物混入で最も多いのは毛髪です。頭の髪の毛は毎日50~100本ほどが生え変わりますから、混入する可能性はかなり高くなります。しっかり洗髪して、ブラッシングして、帽子をかぶり、作業する服に付着していないかも点検します。
男性で、もう頭髪が抜けることはないと思っている人も要注意です。体毛が濃い人もいますから、そんな人は半そでの服は厳禁です。
材料からの異物には、材料そのものに由来する動物性(虫の類)、鉱物性(石や砂)、植物性(種や根)などがあります。これらは、入荷した際にきちんと点検をすることが大事です。
これ以外に、主として包装や輸送容器から混入するプラスチックや紙などがあります。この原因が「もったいない」であることが多いです。材料を運ぶ段ボール函を穴があくまで使いまわしするとか、発泡スチロール函のふちが欠けているものを使ったとかです。
ワンウェイで使うための容器は、もったいなくてもリサイクルに出すほうが賢明です。
機械からの異物も「もったいない」が原因になる割合が高いです。ボウルなどの容器やざるなどで劣化したものは「もったいない」と思わないで交換します。もちろん、カップなどは安いからといってプラスチック製を使いません。「もったいない」からといって、使い終わったペットボトルに洗剤を入れて使うなどは大きなリスクがあります。
異物混入クレームは食品産業では致命傷になります。「もったいない」と考えて少々の経費削減を図ることには慎重であるべきでしょう。