化粧品の販売事業の苦境はまだ続いており、構造的なものになりそうです。
コロナ禍は、飲食業や観光業、宿泊業や交通業だけではなく、いろいろな業界に影響を与えています。そのなかでも大きいのが化粧品関連消費の減少です。中小の小売店・卸売店では売り上げの減少に対処することが難しくなっています。
グラフは経済産業省の生産動態統計からのデータです。直近12か月の合計(このグラフの最後は2020年10月~2021年9月の12か月間)の推移を示しています。
コロナ禍直前では、12か月で1兆7500億円ほどだった販売金額が、1兆3700億円まで減っています。およそ22%の減少です。
しかも、9月までのデータでは、下げ止まりする様子はなく、一貫して減っています。
このようにトレンドが長く続くと、化粧品を使わない生活様式が定着してくる可能性が高いように思います。
コロナ禍の直前12か月と、2021年9月までの12か月の売上高の増減です。経産省の分類で増加しているのは、ヘアートリートメントとセットローションです。
減少幅が最も大きいのは口紅で70%減です。以下、ほお紅、リップクリーム、ファンデーションと続きます。マスク生活ですから、納得です。日焼け止めなんかもずいぶん減っていますから、今年の夏は外に出る機会が減っていたのでしょうね。
また、化粧品は中国などからの旅行者需要の割合が高かったことも影響を拡大しました。
化粧品を取り扱う仕事を続けるのは、何かしらの新しい取り組みが必要です。いろいろ考えていますが、なかなか良いアイディアも出てこない状況です。