京セラの創業者・稲盛和夫が「経営と会計」という本で7つの基本原則を示しています。
7つの基本原則
(1)キャッシュベース経営の原則
(2)一対一対応の原則
(3)筋肉質経営の原則
(4)完壁主義の原則
(5)ダブルチェックの原則
(6)採算性向上の原則
(7)ガラス張り経営の原則
特に中小企業にとっては、稲盛和夫の7つの基本原則は有用です。常に心掛けるべきだと思います。
第1原則は「キャッシュベース経営」です。複雑な会計システムに惑わされないで、シンプルにキャッシュ=現金の動きに注目します。キャッシュの増加が利益の増加になるように経営のシンプル化に努めます。
第2原則は「一対一対応の原則」です。
モノと伝票、カネと伝票は常に1対1で対応していなければなりません。そんなことは当たり前じゃないか?と思われるかもしれませんが、経営者がよほど気をつけていなければ、全てが1対1にはなりません。
第3原則は「筋肉質経営の原則」です。
肥満して贅肉がついてくると走れなくなります。企業が走り続けるには、筋肉質の身体が必要です。いつのまにか増えてしまうヒト、モノ、カネ、情報に着目して、不要であればそぎ落とすことが必要です。
当時、私の元の会社では、この稲盛さんの話に共感した幹部の発案で「筋肉質経営」がキーワードになりました。「体質強化委員会」をつくって、全社を挙げて贅肉を落とすように活動していたと記憶しています。
稲盛さんの「経営と会計」は1998年の晩秋に発行されています。
1998年の10大ニュースの上位5つが以下です。
1位)和歌山ヒ素入りカレー事件。2位)戦後最悪の不況~過去最高の完全失業率。3位)参院選自民惨敗・橋本首相退陣。4位)金融ビッグバン始動。5位)長銀・日債銀の経営破綻。
前年の1997年の1位は山一證券経営破綻。3位が野村証券の利益供与事件。でした。
稲盛さんが強い危機意識を持って出版しなければならなかったわけです。
以下は、稲盛和夫Official Sight の「稲盛会計学 7つの基本原則」に譲ります。