NHK Eテレの隠れた人気番組「ソーイング・ビー」の第4シリーズがはじまりました。
イギリスBBCが製作して、ヨーロッパ各国でも放送されている人気番組です。イギリス全土から集まったアマチュアの裁縫自慢のメンバーが、ガチでアイディア(デザインや製法)と縫製技術を競います。毎週、創造性の発揮を求められるユニークな課題が出て、審査員の評価が低いと脱落していきます。最後は残った3人で決勝ですが・・・。という番組です。
アマチュアの腕自慢というところが、ちょっと微妙な面白さを演出します、アマチュアだからこそ真剣なんですが、プロではないで命がけでもありません。
このため、突飛なアイディアが出てきたり、ちょっと迂闊なミスがあったりと、番組の流れが読み取れません。
さて、日本のアパレル業界は今や瀕死の危機にあります。ユニクロに代表されるようなファストファッションの隆盛で、町のブティックやデパートのアパレル品売り場は閑古鳥が鳴いています。
これらの商品の縫製は、以前は日本よりコストの安い中国でおこなわれていましたが、現在はさらにコストの安いベトナムへ、近年ではバングラデシュへと移動しています。日本で売られている衣類のうち国内で縫製されているのは2%未満です。
国内の縫製工場の多くは中小零細ですから、近い将来何も残らない可能性もありました。
この状況を打開しそうな取り組みがいくつかあります。一つが、Factelier(ファクトリエ)という会社です。国内の優秀な技術がある縫製工場だけを登録して、この工場で、こだわりのMade in Japanのファッションを提供するという仕組みです。
☞ ファクトリエ - 世界に誇る「Made in Japan」
もう一つの取組みが、アパレル事業者やデザイナーが縫製工場を探すためのサイトの登場です。中小零細な縫製工場や個人の縫製技能者に、デザイナーが直接アクセスするわけです。
ヌッテ(nutte)や、シタテル(sitateru)といったサイトが有名です。
縫製というアナログ産業ですが、これからはDXの成功例になっていくかも知れません。
そのためには、ソーイング・ビーのような独創性がありながら技能もしっかりしている日本人の職人さんが必要です。若者(子供たち)が、縫ったり編んだりしてして、素敵なファッションを生み出すことに夢を持てるようになればいいなぁと思います。