内閣総理大臣って、何をする人?何ができる人?

自民党の総裁選挙が終わり、岸田文雄氏が当選しました。第100代の内閣総理大臣に就任することになりそうです。

 

広島県出身の私としては、カープファンの総理大臣は少し嬉しいです。広島県にゆかりの総理大臣としては戦前の加藤友三郎、戦後は池田勇人、宮澤喜一に次いで4人目となります。現在の岸田派(宏池会)は、広島県出身の池田勇人が創立しています。広(宏)+池が派の名前の由来の一つとも言われています。

 

閣議(首相官邸ホームページ)
閣議(首相官邸ホームページ)

この機会に日本国憲法で内閣総理大臣とは何かを確認してみましょう。

 

5章「内閣」から抜粋します。

第65条  行政権は、内閣に属する。

 

第66条  内閣は、内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。

 

第67条  内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。

 

第68条  内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。

  

第72条  内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

 

第73条  内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。

一  法律を確実に執行し、国務を総理すること。

二 外交関係を処理すること。

三 条約を締結すること。但し、国会の承認を経ることを必要とする。

四 法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。

五 予算を作成して国会に提出すること。

六 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。

七 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

 

第74条 法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。

 


どうですか?内閣総理大臣というものの印象が変わってきませんか?

 

行政権は「内閣」にある。内閣を組織する(大臣を任命したり罷免したりする)のは内閣総理大臣ですが、行政権の行使は内閣が連帯して(内閣総理大臣では無い)責任を負う。この憲法の規定があるので、大臣の全員一致でなければ、つまり一人でも反対すれば、内閣は決定をすることができません。

内閣総理大臣は内閣を代表しており、指揮監督するのですが、決断を下すという役割を果たすイメージが、憲法からは湧いてきません。どちらかといえば、行政各部が決めてきたことを決裁するだけの人(大会社の管理職みたい)のようです。

 

日本国憲法が定める内閣総理大臣には、なるほど「他人(ひと)の話をよく聞く」人が最も適している職責と言えます。

しかし、岸田さんは昨年来の総裁レースで、何か吹っ切れたという評価もあります。

「他人の話をよく聞く」が、「他人が言いたいことをよく聞く」ではなくて、「他人が言いたくないことでも、自分の聞きたいことは無理でも言わせて聞く」という意味であれば、長期政権は間違いないと思います。