山口県では、美味しい”とうもろこし”をつくっている若い生産者さんが何人もいます。
今年8月12日にメジャーリーグ公式戦が、1989年の映画『フィールド・オブ・ドリームス』のロケ地に作られた特設球場(アイオワ州です。5.5億円かけてつくったそうです。)で行われました。映画のシーンと同じように、対戦するニューヨーク・ヤンキースとシカゴ・ホワイトソックスの選手が、広大なトウモロコシ畑の中から入場してきました。
この広大なトウモロコシ畑ですが、実は食用として栽培されているものばかりではなく、多くは燃料用エタノールを生産するためのものです。
トウモロコシの生産は、アメリカが世界一です。そのなかでアイオワ州は全米一のトウモロコシ産地です。
アメリカのトウモロコシ生産量は毎年増えていて今年は3.8億トンくらいです。世界全体のトウモロコシ生産量が約11.5億トンなので1/3がアメリカ産となります。アイオワ州が7000万トンでトップで、以下イリノイ、ミネソタ、ネブラスカなど中西部諸州が続きます。日本のトウモロコシ生産量は500万トンにも満たないのでけた違いです。
トウモロコシは食用にされるものは少なくて、飼料用に使われるものが大半です。日本のトウモロコシでも食用生産は年間20~25万トンに過ぎません。それ以外はほぼ養豚など畜産飼料として使われます。日本は、主にアメリカやブラジルから年間1500万トンの飼料用トウモロコシを輸入しています。日本はトウモロコシ輸入大国です。
近年は中国が国内生産(世界2位で2.6億トン生産している)だけでは足らずに、飼料用トウモロコシを大量(昨年で2600万トン)に輸入することから、日本が買い負けするケースも多くなっています。
アメリカは2005年に成立したエネルギー自立法で、ガソリンに一定の割合(10~20%)のバイオエタノールを混合するような規制(義務化もある)をしています。アメリカでは今年は約1.3億トンのトウモロコシが燃料エタノールに使用されます(アメリカの1/3.つまり世界の1/9)。アイオワ州のトウモロコシに限れば、飼料用よりも燃料用のほうが生産量が多くなっています。
食料にもなるトウモロコシを燃料に使うのはけしからんという意見も耳にします。しかし、山や丘を削ったり、耕作放棄地を平らにして太陽光発電用のソーラーパネルで埋め尽くすのもいかがかと思います。それくらいならば、バイオ燃焼用のトウモロコシ畑にするほうが、瑞穂の国には似合っているような気がします。
飼料用や燃料用のトウモロコシは遺伝子操作されたものです。日本でも食用トウモロコシの反収1とすれば飼料用は5倍です。アメリカのトウモロコシの反収は日本の食用トウモロコシの
約12倍です。燃料用であれば、味も見た目も関係ないですから、言葉は悪いですが農薬も肥料もバンバン使って、さらに日本の最新技術を活用して反収15倍を目指したトウモロコシ栽培を確立するなんてできないものか?と思います。