台風は暴風被害にも要注意!

今夜、台風14号は宇部市の上を通過して東へと遠ざかりました。

 

当地では、お昼過ぎまでは多少の風が吹きましたが結構穏やかでした。夕方には風雨が少し強くなりましたが、恐ろしいほどではありません。20時頃に宇部市の上を通過したようですが、その前から風も止んでいました。近隣では、大きな被害は出なかったものと思います。

 

2020年台風20号(山口市)
2020年台風20号(山口市)

台風の被害というと、大雨による洪水、浸水、高潮による浸水(おしなべて水害)と土砂崩れがどうしても頭に浮かびます。

一方で、暴風による被害(風害)が忘れられがちです。

 

風害は水害や土砂災害に比べて頻度が低いのですが、意外な場所に、意外に大きな被害をもたらすことがります。要注意です。

 

台風の位置や進路によって風が来る方向や強さが変わります。山口市のような盆地や、宇部市でも半島の山かげになるような地域では局地的に強風が吹くことがあります。

 

また、地形によっては局地風(地方風とか局所風ともいう)の頻度が高くて有名な場合もあります。日本の三大局地風は、山形県の「清川だし」、愛媛県の「やまじ風」、岡山県の「広戸風」です。愛媛や岡山は穏やかなイメージがありますが、実は風害が多い地域もあります。

 

岡山県の「広戸風」は、県北東部のに位置する奈義町あたりで吹く北より風です。鳥取県との県境にある奈岐山のつくるスリット上の崖から、収束した風が入り込んでくるのです。山の反対側では風速20mでも、町では50mを超える風が吹くことがあります。

 

ただ、「広戸風」にように予めよく知られている場所では、事前の準備ができています。ところが、案外な偶然で強風に襲われることも起こっています。これまで、風の被害など受けたことがなかったのに・・というケースです。都会などでは、大きなビルや建物の影響を受けることもあります。地方でも、偶然の条件が合って強風となることもあります。

 

また、風害のやっかいなところは台風の進路の中心から離れた場所でも起こることです。ご自分の家や会社の周りを360°見回していてください。山の切れ目や、谷のかたちに注意してみることも、不測の事態での最初の一歩を踏み出せるきっかけになるかも知れません。