自民党の総裁選挙の行方は混とんとしていますが、岸田文雄vs.河野太郎の決戦でしょうか?
岸田派は宏池会を名乗り、河野さんが所属する麻生派は志公会を名乗ります。両派ともに、元は池田勇人が創設した宏池会です。宏池会は、前尾繁三郎・大平正芳・鈴木善幸・宮澤喜一と引き継がれます。その後、宮澤から加藤紘一に派閥が引き継がれる際に、これを不服とした河野洋平が分かれます。その河野派を麻生太郎が引き継いだわけで、河野洋平の息子である河野太郎は麻生派に所属しています。
最初に宏池会ができた頃は、自民党でも派閥という考えはあまりなくて、総理総裁を目指す有力者(池田勇人)の後援会のような集まりでした。つまり、その有力者が引退すると同時に、その集まりは無くなるわけです。
その慣習を最初に打破したのが宏池会で、あたかも会社のように(つまり、リーダーが社長のように)持続する仕組みをつくったわけです。宏池会は現存する自民党最古の派閥です。
共に宏池会の流れをくむ岸田派と麻生派です。基本的な考え方は、似通っているはずです。「対米協調」「平和憲法」「対中・アジア重視」「自由経済」「寛容と忍耐」「中庸・穏健」「合議・納得」といったものが宏池会の基本路線です。自民党のなかでは、ハト派・リベラルな集団です。
ところで、宏池会と志公会のメンバー構成には大きな特徴があります。
宏池会は広島県出身に池田勇人が結成し、同郷の宮沢喜一、岸田文雄がリーダーです。現在の№2は山口県出身の林芳正です。これが関係するのか、西日本の議員が多いです。
一方の志公会は、福岡県出身の麻生太郎がリーダーですが、神奈川県の河野洋平が結成したことも影響してか、東日本の議員が多数を占めています。
詳しいことは分からないのですが、政治信条だけでなく、まだまだ国政の世界でも、地理的なつながりは強いのだろうと思います。特に深い意味は無いのですが、発見したのでご紹介しました。