トップが安心して辞任できる国がいい:習近平さんの焦り

菅義偉首相が退陣表明をしましたが、菅首相の功罪に関する報道も大してなく、あっという間に沈静化しました。

 

日本は議院内閣制の国です。憲法で決められているので、当分変わりません。そのため、国のトップである内閣総理大臣は直接選挙で選ばれるわけではないのですが、国民が民主的な選挙で選んでいることには変わりがありません。そのため、辞任をしても石をもて追わるるなんてことはありません。

 

日本の首相
日本の首相

どんなに評判が悪い首相であっても、選んだのは国民ですから、あまり悪し様に言えば自分たちに跳ね返ります。

信条の異なる人や野党は、辞任したトップを悪く言いたいのですが、日本人のメンタリティーから言えば、辞める人(つまり部分的は敗者)を更に痛めつけていると不快に感じられます。

 

辞任しても政治活動もできますし、安寧に暮らせるので、安心して国のトップが辞めることができます。

任期満了で退くアメリカ大統領などでも同じです。トランプ大統領に不満を抱く人がどれほどいても、選んだのは国民です。

 

日本以外の民主主義国家では、この原則は変わりません。世界で、ただ唯一の例外がお隣の韓国です。民主主義プロセスで選ばれた大統領が、どなたも何故だか辞めると酷いことになるわけで現代社会の大きな謎のひとつです。

 

ところが、民主主義プロセスが十分に機能していない国では、様相が異なります。とにかく、その地位にしがみついていないと、どんな酷い目にあうかわかりません。

 

ヨーロッパ最後の独裁者と言われるベラルーシのルカシェンコ大統領は26年目です。ロシアのプーチン大統領も最初の大統領就任は西暦2000年ですから21年が経ちました。中央アジアやアフリカの独裁国家は軒並み長期政権が続いており、元首が辞めるのは亡くなるとき、あるいはクーデターで失脚するときです。また、トルクメニスタンのように存命のまま子に承継するケースもあります。

 

中国の習近平主席が自らを神格化するように、小学校から大学までの教科書や教育課程を一気に変えたということです。当然ながら国民から不満がでてきますが、そういう言動は封じ込めしています。かなり無茶なことをしているわけで、逆に習主席の焦りがよく見えます。

 

米中対立が激化するなかで、香港、ウイグル、南シナ海、台湾などへの対応で国際的な非難を受けています。アフガニスタン問題も頭が痛そうです。内政でも成長の限界が明らかになってきています。共産党内部の権力闘争は力で封じ込められそうな気配ですが、習主席のアキレス腱である家族のこと(アメリカ永住権を持つ娘とか、近しい複数の親族がカナダなど西側先進国の国籍を取得とか、国営企業などから多額の報酬を得ているとか・・)を蒸し返されると、国民の気持ちも離れそうです。

 

68歳という年齢ですが健康不安説もときどき出ます。今は必死で権力の長期化を目論むわけですが、功を奏するかどうかは不明です。この状態は結構なストレスだと思います。少なくとも菅首相の何倍にもなるでしょう。

短命政権への不満もあるでしょうが、少々のストレスが掛かっただけで、トップが安心して辞められる国のほうがいいと思います。

 

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