私が勤めていた会社は再来年(2023年)に創業200年を迎えます。200年のその先に向けた新しい中期事業計画をwebサイトで公開しています。☞ 戸田工業「Vision2023」
日本にはおよそ380万の企業があります。そのうち創業200年を超えるのは3000社ほどです。1000社に1社より少ない(0.1%以下)ですから、結構珍しいと言えます。尚、創業200年を超える企業は世界で5500社しかなく、日本にその6割があります。2位はドイツで約800社です。
ここで、長寿企業とは大企業を意味しません。実はファミリービジネスの長寿企業もたくさんあります。会社の規模を大きくすることなく、自社を長寿企業にするのは、どうすればいいでしょうか?
先ず、第一の条件は後継者がいることです。
当たり前ですが、企業が持続するには経営者が不可欠です。日本に長寿企業が多いのは、事業承継が親から子への承継にこだわらなかったことが大きな要因です。
徳川幕府15代でも嫡男への承継は、3代家光ただ一人です。長子(実子)へ経営を引き継ぎながら長寿企業になることは難しいです。
☞ 2015/10/03 徳川将軍で正室から生まれたのは三代・家光だけ
実子に恵まれないときもありますし、その子に経営の才覚が備わっていない場合もあります。その場合には他の誰かに後継を委ねることになります。
第二の条件は仕事の内容が政情とか景気とか、外部のゴタゴタに巻き込まれ難いものだということです。世界最古の企業として有名は金剛組は、神社仏閣を専門とする建設会社です。従業員の多くが宮大工さんです。聖徳太子の時代から続く会社は少し極端ですが、自分の会社の仕事に誇りをもって、ブレずに働ける会社が永続きします。
そして、第三の条件ですは会社が存立している日本という国が続くことです。創業1443年という企業(1300年を超える企業だと5社)があるのは、日本が長期間に渡って他国に侵略された経験がなく、全国規模の内戦も起こらなかったという事情があります。
自民党総裁選挙から続く総選挙では、候補者の安全保障についての考え方もきちんと聞いておきましょう。