(事業継続力強化計画)外で働く従業員の避難

事業継続力強化計画は中小企業者がBCP(事業継続計画)を作成するための入口です。

 

極めて詳細な策定の手引が用意されており、どんな事業者さんでも比較的簡単に作成することができます。ものづくり補助金の優先採択(申請時に加点がある)の要素になっていることで、策定して申請する事業者さんが多くなっています。

 

事業継続力教会計画認定章
事業継続力教会計画認定章

新型コロナ感染症の喧騒のなかですが、激しい気象災害も頻発しています。事業者さんが、不測の事態に備えることの重要性は年々増してきています。

 

事業継続力強化計画の「自然災害等が発生した場合における対応手順」の必須項目として次の2つがあります。

1つは「従業員及び顧客等の避難に関する手順を取り決めている」、2つは「従業員等の安否確認を行う手順を取り決めている」です。業種によって、相談が多い事項なので、少し解説しておきます。

 

経産省が、避難と安否確認を必須にしているのは、もちろんこれを重要視しているからです。避難が遅れたり、適切に実施されずに被害が拡大した事例は枚挙にいとまがありません。また、避難はしたものの安否確認に長期間を要した事例もたくさんあります。

 

従業員が事業場に集まって働いている場合は、自然災害の種類ごとに避難する場所やタイミングの決定と周知することで避難の手順となります。また、豪雨災害等では出社するか否かの判断基準を予め示しておくことも避難の手順のひとつです。

 

ここで悩ましいのが、運送業や建設業など事業場の外に従業員がいる場合です。例えば、トラックのドライバーさんが道中の避難場所を全て把握しておくことは不可能です。道中で大きな地震や豪雨災害(洪水や土砂崩れ)などに遭遇した場合の手順を決めておくことです。

 

≪例≫

1.運転手は、安全な場所に停車してラジオで情報を聴きながら、営業所に電話する。

2.営業所は近隣の避難所を連絡して、必要な場合は避難を指示する。

 (ルート上の避難場所は予め調べておく)

3.避難を指示されたら、災害時持出袋を持って、キーをつけたままドアロックしないで避難所に移動する。(非常用品を入れた災害時持出袋をトラックに常備します)

4.運転手は避難場所に到着したら、営業所の状況を報告する。

5.その後も、運転手と営業所は災害が終息するまでは、定期的に連絡を取り合って安否の確認を続ける。(連絡の手段は携帯電話やメール・SNSなどですが、これらが不通となった場合は災害伝言ダイヤルを使います。使い方を災害時持出袋に入れておきます。)

 

検討しておきましょう。