今日のブラタモリで「諏訪」をやっていました。御神渡りについてです。
長野県のwebサイトによると、御神渡りとは「諏訪湖が全面結氷すると南の岸から北の岸へかけて氷が裂けて、高さ30cmから1m80cm位の氷の山脈ができます。これは諏訪神社上社の建御名方命が下社の八坂刀売命のもとへ通った道筋といわれています。諏訪市の無形民俗文化財に指定されている御渡り神事は古来八剣神社の特殊神事です。」
今年の冬は諏訪湖が全面結氷せずに御神渡りがありませんでした。これで3年連続で御神渡りはみられなかったことになります。
写真は最後の御神渡りがあった2018年のものです。壮大なものですね。
諏訪湖で御神渡りという、とても珍しい自然現象がみられる理由を調べてみました。
先ず、標高760mと高い。山間の盆地にあり放射冷却などがあると気温が急激に下がる(最低気温の記録は氷点下23度)。冬場には風の通り道になっていて強風が吹く。
また、このあたりは積雪が少ない。雪は保温効果があるし、雪が溶けて川から水が流入すると湖水温度が均等に上がる。
一方で、周囲に温泉があり暖かい水が断続的に流入するのが氷の厚みを増す。古来から多くの人が湖の周囲に暮らしており、氷の核になるような不純物が多く含まれる。
さらに、面積が14㎢とちょうどよい。大きすぎると全面結氷しないし、小さすぎると波の影響を受ける。さらに、最深7mととても浅い湖で水量が少ない(面積は琵琶湖の1/8ですが、水量は1/500くらい)。ほぼ円形で湖面の氷に均等に力がかかる。
つまりは、御神渡りという現象は、多くの条件が重なり合った湖でしか見ることができないということです。諏訪湖は奇跡の湖だということです。
その御神渡りですが、八剣神社に550年以上前から御神渡帳という記録が残っていて、いつ御神渡りがあったのかがわかります。この御神渡りがなかった(つまり諏訪湖が全面結氷しなかった)年を「明けの海」といいます。2019年から3年続いて、諏訪湖は明けの海でした。
古い記録では西暦1600年代の100年間で明けの海は1度だけでした。近くになって、明治の44年間では3回、大正の14年間では2回、昭和の61年間では17回、平成の31年間では22回が明けの海です。令和になってからは、御神渡りはなくて、ずっと明けの海です。
地球温暖化の影響か?とも思いますが、御神渡りという自然現象そのものが複雑な要因が関係する奇跡的なものなので、実際はよくわかりません。
しかし、荘厳な御神渡りを、一度見てみたいなぁとは思います。