国連の持続可能な開発目標(SDGs)が企業活動の指針として定着しています。
日本人は同質性を好みます。当然ながら、日本企業も同じで、他社が取り組んでいるなら我社も、となります。今やSDGsをベースにした企業活動の変革に取り組んでいない!という企業を見つけることの方が難しい状況です。上場企業のwebサイトをざっと眺めると、ほぼ全ての企業がSDGsの目標を掲げています。
☞ 例えば.... 外務省 JAPAN SDGs Action Platform
SDGsは、現代の企業にとってビジネスチャンスがどこにあるのかを指し示す指標になっています。
1.貧困、2.飢餓、3.健康と福祉、4.教育、5.ジェンダー、6.水と衛生、7.エネルギー、8.経済成長と雇用、9.インフラと産業化とイノベーション、10.不平等、11.持続可能な都市、12.持続可能な消費と生産、13.気候変動、14.海洋資源、15.陸上資源、16.平和、17.実施手段。
SDGsには、健康、福祉、食料、環境保全、エネルギー、デジタル化などありとあらゆる施策が含まれます。いずれも、世界を今より良くするための目標です。
新しいマーケットというものは、この目標を達成する方向に誕生するわけです。SDGsは、企業が自社の保有する資源を有効に利用するなら、どこに新たな事業機会があるのかを検討する道標になります。
また、企業の活動にはリスクがあります。SDGsへの取組みは、企業のリスクを軽減するという役割もあります。企業が、人権や健康や多様性、環境やエネルギーなどに対して悪い影響を与えていると、社会からの批判を受けます。存続そのものが危うくなるような事例もたくさんあります。SDGsを企業活動の規範として、持続可能性を高めることは有効です。
SDGsは、世界中の企業に経済的価値の拡大と社会的責任の履行の両立を促すものです。しかし、決して新しい考え方ではありません。特に日本では昔から定着していることとです。
今年の大河ドラマ、渋沢栄一の「論語と算盤」も同じ論旨です。
経営者にとって「赤字は悪事」ですから事業収益の黒字を続けることは最も重要です。そのうえで、社会的な責任を果たして善行を積むことが、企業が持続していくことにつながります。