風邪に罹る(かかる)と言います。うつる病気は、普通は○○にかかると言います。
ただ、風邪だけは風邪を引くとも言います。昔の人は、風邪という病を司る風の神(厄病神)がいて、人の身体を自分のほうに引き込んで発病させると考えていたようです。そこで、他の病気と違って、風邪は「引く」とも言います。
風邪は大人も引きますが、子供や若者のほうが頻度が高いです。
子供の頃は、何だかしょっちゅう風邪をひいていたような気がします。今くらいの年齢になると、風邪を引くのは年に2~3回でしょうか?最近は新コロ騒動に巻き込まれるのが嫌なので、特に注意して生活しているので、もっと風邪は引かなくなりました。
それにしても、風の神(厄病神)は、子どもが大好きです。現代においてはともかく、昔は風邪は恐ろしいものでした。風邪は確かに万病の元で、風邪を引いて熱や咳が出ると、体力を奪われてしまって、他の病気を併発することがあります。風邪そのものも悪化すれば肺炎となります。子供が咳をするのは、親にとってはとても恐ろしいことです。風の神に、子どもを吹き込まれないように必死に看病します。
風の神(厄病神)があまり活躍し過ぎると困るので、流行した地域では風の神送りといった神事をおこないます。風の神にどこか遠くに去ってもらおうというわけです。
ここで、風の神送りについてルルうんちくを述べるのは止めにして、落語散歩というサイトにあった「風の神送り」と、YouTubeにあった名人・桂米朝の「風の神送り」を貼り付けておきましょう。
☞ 落語散歩「風の神送り」 昔は風邪が流行ると張りぼての人形を作って、それを風の神に見立てて、お供え物をしたりして賑やかに、「風の神送ろ」と囃した立てて、川へ放り込んで後をも見ずに逃げて帰って来るという風習があった。