盛土を起点とした土石流災害。再発させてはならない

広島市で2014年に発生した大規模な土砂災害でも、盛土・埋土は問題になっていました。

 

今回、熱海市で発生している土石流災害(人為的な要因が大きいようなので、災害というより事故かも知れない)でも開発による地形の変更が、大きな被害を招くことが改めて認識されました。土地開発の状況を勘案したハザードマップの改訂が必要です。

 

下の図が、今回の土石流が発生した場所です。

開発によって盛土がされていたのは標高400mのところです。狭い谷を通って、僅か1600mで海まで到達します。短い距離とはいえ、地域の住民が上流で大規模な開発(盛土)がおこなわれていたことを知るのは困難です。

 

土石流の発生(熱海市2021.07.03)
土石流の発生(熱海市2021.07.03)

盛土がされる前の同じ位置の写真です。

地形が全く変わっていることがわかります。

開発前の熱海市(写真は1979~1983年)
開発前の熱海市(写真は1979~1983年)

BCP(事業継続計画)や事業継続力強化計画で、ハザードマップの利用を促しています。確かに、今回の被害があった場所はハザードマップに「土石流警戒区域」と指定されてはいました。しかし、このハザードマップからは、どれほどの豪雨であっても土石流が襲うかもしれないと警戒する意識にはならなかったでしょう。

 

開発による土地の形質変更は、国土地理院地図と古い写真を組み合わせればわかります。緊急に見直しをおこない、ハザードマップの改定をおこなう必要があります。

ハザードマップ<土石流警戒区域>
ハザードマップ<土石流警戒区域>