大抵の病気には、男女のある年代でリスクが高いといった特徴があるものです。
昨日の続きなのですが、新コロによる死亡として発表されているものが、ウイルス感染症という病気によるものならば、一定の特徴は維持されるはずです。しかし、新コロ関連死の性別・年齢別グラフの形は、時とともに大きく変化しています。この原因は何なのでしょうか?どんなことが考えられますか?
☞ 2021/07/04 このところ女性の死亡が目立つのは何故?新型コロナ
左のグラフが、2020年8月末までの、新型コロナ関連死の性別・年代別のグラフです。
死亡者は、男性(704人)が女性(405人)より1.74倍高いという顕著な性差がありました。80歳代、70歳代で糖尿病や高血圧などの持病がある男性の死亡リスクが高いとされていました。
一般に呼吸器系の疾患による死亡者は男性に多い傾向があります。2019年の人口動態調査によると、呼吸器系疾患全体では男性が1.44倍です。慢性閉塞性肺疾患では4.92倍、間質性肺疾患では1.85倍、肺炎では1.25倍です。また、肺がんは2.42倍、肺結核は1.41倍です。
今年(2021年)1月最初の3週間の死亡例は、男性(678人)女性(488人)で性差は1.39倍に縮まりました。
初期と比べて、男性では90歳代の死亡が多くなっていることがわかります。
また、女性の80歳代・90歳代の死亡が大きく増えています。
結局のところ、新コロは季節性インフルエンザと同じように、亡くなりそうな高齢者の最期の背中を押す要因なんだろうと思っていました。
左のグラフが直近4週間を示しています。男性(604人)の死亡数は女性(576人)の1.05倍と、ほぼ男女同数になってきました。
年齢層が女性のほうが高くなるのは、女性が長生きなので当然ですが、同じ病気でこんなに特徴が変わってくるものなんでしょうか?
1年間で男性の健康度が上がったとは考えられませんから、女性の側に何かの不都合が生じているように思えます。
気になるのは、80歳代の女性の死亡数の増加です。この年代の女性の多くは、配偶者に先立たれた寡婦の方が多いわけですが、真面目に交流を避けて自宅でじっとしていることで健康を損ないやすい状況にありました。そこに、新コロ陽性判定を受けると、ウイルスが特に悪さをしなくても、心理的に追い込まれて持病が悪化して亡くなるなどということがあれば残念です。
この他には、女性の入居者が多い高齢者施設で亡くなる方が大幅に増えているなどという理由も考えられます。もし、そうであれば、緊急事態宣言や蔓延防止措置を強化するのはナンセンスということになります。
専門家の方の見解を聞いてみたいところです。