エンゼルスの大谷翔平選手の活躍が止まりません。今日は、無安打でしたが3四球1盗塁。
アメリカのファンが大谷選手を神話のユニコーン(一角獣)に例えています。伝説のユニコーンほど他に類を見ない存在ということだそうです。ところで、一角獣、つまり陸上に住む1本だけ角がある動物は、インドサイとジャワサイ(シロサイ・クロサイ・スマトラサイは2本角)くらいと思います。多くの場合、動物の角は2本です。
このインドサイが、ユニコーン伝説の基なんでしょうね?
中国では、一角獣とは「カイチ」です。右の図のような形をしています。この形は、ヨーロッパのユニコーンとよく似ています。
やはり、原型はインドサイなのでしょうか?
インドサイはインド北部、ブータンやネパールとの国境近くに住んでいます。陸上では、ゾウについで大きい動物です。
カイチが先にあって、欧州に伝わってユニコーンになったのかも知れません。
江戸時代の薬には「うにかうる(うにこうる・ウニコールともいう)」という原料が使われることがあります。「うにかうる」はユニコーンのことです。漢字でかくときは「一角」とされています。鎮静効果や解毒作用があるとされていました。
貝原益軒の「大和本草」1708年には、「うにかうる」是一獣ノ角ナリ、蛮語ウニカウル。犀角ノ類。其獣ノ名シレズ。とあります。効能としてはは、オランダ人が言うにはという注釈をつけて、諸毒・酒毒の解毒を一番に書いています。
一角は日本には無いもので、オランダからの輸入品です。江戸時代の最盛期には、年間30㎏ほどが輸入されていました。非常に高価だったようで、1単位(何グラムのことかわかりません)が最高では銀1760匁したそうです。今の感覚では300万円くらいです。
富裕な大名が200両分を買い上げたとか、オランダ商館長が将軍に献上したとか、一角は大人気だったようです。
もっとも、ユニコーン自体が伝説の動物ですから「うにかうる」なるものがあるはずがないわけです。オランダからの輸入品ですが、品質?には大きなバラツキがあったということで、江戸時代の後期には「うにかうる」は高価な偽物の代名詞になっていたそうです。
雑排・柳多留に「おどり子のはなし大きなうにこうる」というのがあります。
最後は、大谷選手とは関係がなくなりましたが、インパクトの大きさは比類ないですね。