田んぼに水が入っています。今日はいかにも梅雨らしいシトシト雨です。かえるたちが大音量で鳴いています。
かえる(蛙)は、どこかに移動しても、最後には生まれた場所に帰るから”かえる”と言う?と聞いたことがあります。蛙は数年から十年くらい生きるそうですが、冬は冬眠します。みんな似たような姿なので、どの蛙がどこで生まれた(オタマジャクシから蛙に変わったか)がわかるとは思えません。
鳴いている蛙は、みんなオスです。無闇に大きな声を張り上げて鳴いているのは、今の時期が蛙の繁殖期だからです。
多くのオスが、メスに自分をアピールするために鳴いています。オスの数に対して、メスのほうが少ないのだそうです。
グリム童話に「かえるの王さま」というお話があります。このお話は、結構奥が深いです。読んだことがあるかも知れませんが、覚えていますか?
(但し、子供向きには原作からかなり逸脱したものもあるようです。)
https://www.grimmstories.com/ から「かえるの王さま、あるいは鉄のハインリヒ」をリンクしますから読んでみてください。
簡単なあらすじは、「➀ 王女が遊んでいたボールを池の中に落とします。
このボールを蛙に拾ってもらいます。そのとき、王女は拾ってくれると蛙と友達になると約束をします。/ ② 蛙は王女のところを訊ねていきますが、王女は気味が悪いと言って拒みます。父親の王は、約束は守るべきだと叱ります。しぶしぶ従うと、蛙は王の言葉をよいことに、王女に一緒に寝ようと図々しく迫ります。/ ③ 王女は怒って、蛙を壁にたたきつけます。すると、蛙の魔法が解けて、美しい王子に変わります。/ ④ 朝が来ると、王子と王女のもとにハインリヒという名の家来が登場して、二人を王子の国に運びます。その道中で、ハインリヒの心臓につけていた鉄の輪がはじけ飛びます。ハインリヒは、王子が魔法で蛙に変えられたことで張り裂けそうになった自分の心臓を、三本の鉄の輪で締め付けていたのです。」
グリム童話は、なかなかに奥が深いです。
美しい王子が魔法で醜いものに変身させられるというお話はたくさんあります。たいていは、女性の純情な愛とか献身的な行為によって、魔法が解けるのですが、この話では女性が醜い蛙を叩きつける(まぁ、殺そうとしたわけです)ことで魔法が解けます。王子である蛙は、わざと王女を怒らせて、自分を壁に叩きつけるように仕向けます。
父の王が、王女に蛙との約束を守るように叱るというのも意外ですが、もっと秀逸なのが、④のハインリヒという家来のお話です。
原題にあるように、実はこの部分がこのお話の本当のテーマなのです。酷い苦難に遭遇した若い君主に対して、自分の命を賭けてまで忠義を果たした家来の物語です。ハイリヒこそが、お話の主人公でした。
若い社長さんは、身近なハインリヒを大事にしましょう。美しい王女ばかり追いかけないでくださいね。